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アルス正伝
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アルス正伝 64

「何だよ〜、昨日は可愛いかったクセによ〜?『アルスゥ〜、好きやぁ〜、中にちょうだぁ〜い』って…ぐぉっ!!?」
ライラの物真似をするアルスの腹に、ライラの拳が入った。アルスは腹を押さえてうずくまる。
「な…何でだよぉ…お前が昨日言った事じゃねえかぁ〜…」
「じゃかぁしい!!昨日は悪い酒に酔わされてもたんや〜!!全部悪い夢やったんやぁ〜!!!」
ライラはアルスをボカボカ殴り始めた。
「痛でで…止めろバカ!!」
「ライラさんは本当はアルスさんの事が大好きなのです。だから悪いお酒の力で本当の気持ちが姿を表したんですよ〜」
サフィアがいつものへらへらした調子で笑いながら言った。彼女は完全に元に戻っていた。
「言うなぁ〜っ!!あぁ〜んっ!!!」
ライラは真っ赤になって泣きながらアルスをボコ殴りにした。

「アルスよ!昨夜は楽しんでもらえたか…って何で大ケガしてんねん!?」
昼頃、アルスとサフィアはドンの家に別れを告げに訪れた。
「なあに…ちょいとライラさんにリンチされただけさ」
「ほうか!ほうか!まあ、長い人生や!リンチに会うても気にすんな!それより、これからどないするんや?」
「もう帰る。帰りに昨日聞いた『幽霊のいる洞窟』に寄ってな。砦に捕らえてあるお前らの仲間は、俺が戻りしだい釈放してやるよ」
「ほうか。アルスよ、おおきに!お前はワイらの恩人や!もしお前が困った時にゃあワイら、命がけで助けに行くで!」
「そんなもんいらねえよ!貸し借り無しって言ったじゃねえか」
アルスは恥ずかしそうに頭を掻きながら言った。今まで一匹狼で生きてきた彼は誰かに“恩人”などと言われた事も無かったので照れたのかも知れない。
「それより誰か村のヤツで幽霊の洞窟まで案内してくれるヤツはいねえか?ライラのヤツはヘソ曲げちまったし…」
「ちょお待てやボケナス!誰が案内せんなんて言うた?」
「「「ライラ!」」さん!」
三人が声のした方を振り向くと入り口にライラが立っていた。
「お前とウチの間に何があろうと、案内役は一度引き受けた仕事や!公私は分ける!幽霊の洞窟までの案内、さしてもらうで」
「本当か!?」
アルスはライラにかけ寄り、手を取って言った。
「ありがとよ!やっぱお前が案内じゃねえとやる気が出ねえや!」
「か…勘違いすなアホ!これはウチのポリシーに関わる問題なんや!決してお前と別れるんが惜しいからとか…寂しいからとか…そんなんじゃ…う…うわあぁ〜っ!!!」
またアルスを殴り出すライラ。
「ギャアァーッ!!傷を殴るな〜っ!!」
そんな二人を見ていたサフィアは、ふと気付いてドンに尋ねた。
「そういえば今日はエイラさんが見えませんが?」
「アイツなら奥で腰抜かして寝とるで。宴の翌日はいつも足腰立たんようになってまうんや」
「まあ…」

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