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アルス正伝
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アルス正伝 48

「フン…お前らなんぞに名乗る名前なんぞ無いわ!」
「良いねえ…俺、気の強い女って大好きだぜ。城に着いたらタップリ締め上げて吐かせてやるからな…ヒヒヒ」
「ご主人様、なんか悪役みたいです…」
その女を含めた数人を捕虜とした一行は、再びジェロルスタン城を目指して出発した。

やがて一行は目的地たる城に到着した。
城は質素でこぢんまりとしていた。小高い丘の頂上部分が全て城壁に囲まれており、見張り塔が一本だけ立っている。砦といった方が良いかもしれない。
丘の梺には農村に毛の生えたような町が広がっていた。
「なんだよ…あんまりパッとしねえなぁ」
「せめてもうちょっとデカいのを想像してたんだけどねぇ」
「仕方ないですよ〜、お城というのは本来は軍事的な拠点ですからね」
城門の中に入ると、外からは見えなかったが、見張り塔の他に居住用の建物と倉庫と井戸があった。
一応、城として最低限の設備は設けてあるようだ。特に井戸の有無は重要である。井戸があれば籠城が出来るからだ。

「さて、とりあえず自分の治める領地について、知らなきゃならねぇな…サフィア!」
執務室の机に腰掛けたアルスはさっそく領内の統治に臨んだ。といってもまずは基礎知識を知らねばならない。
「はい〜」
サフィアはここに来る前に、宮殿の書庫でジェロルスタン州について調べていた。
「え〜、このジェロルスタン州はですね〜、暑いです」
「そんなもん入った時から分かってるよ。暑いとどうなるんだい?」
カルラがツッコミを入れる。
「疫病が流行ります」
「「「……」」」
一同、絶句。
「ち…ちなみにその疫病っていうのはどの程度の物なんでしょうか…?」
エルザが恐る恐る訪ねる。
「はい、最近で一番被害が大きかったのは三年前の大流行で、10万人いた人が3万人まで減りました」
「そ…そそ…そんなぁ〜…」
アイシャは思わずその場にへたり込んだ。
「チクショウ…とんでもない所よこしやがって、あの変態国王!」
カルラはガイアに悪態をついた。
「ちなみに今は5万人まで回復したそうです。このペースでいけば10年後には元の人口に戻ると予想されています」
「このペースでいけば…だろ?また流行がありゃあ…」
「まあ、天災は防ぎようがありませんから…。北方の州は常に冷害に悩まされているそうですし、どこの地方でも欠点はありますよ」
サフィアには及ばぬまでも知識のあるエルザがフォローした。
「それもそうだな…」
アルスは気を取り直して訪ねる。
「この辺では何が穫れるんだ?」
「お塩です」
「…オシオ?」

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