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アルス正伝
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アルス正伝 116

彼女はアルスが幼い頃、共に暮らしていた孤児の仲間の一人だった。
「お前、こんな所で何やってんだ?」
「いやぁ〜、オレ盗賊団に入って見習いとして下働きしてたんだけどさぁ…」
あっけらかんとした口調で言うアイリ。
「ヘッセン州の村を襲った時、運悪く駐屯してた州の正規軍と戦闘になっちまって、み〜んな捕まっちゃったんだ。オレてっきり殺されると思ってたんだけど、司令官のフランツ様が『子供に罪は無い』って言って助けてくれたんだ」
「そうだったのか…で、今度はヘッセン州軍の下働きって訳だな?」
「へへへ…そういう事。一年くらい下積みを経験したら、正規の下士官にしてくれるって!」
「下士官〜?泣き虫のお前が兵隊共に命令なんて出来んのかよ?」
「もう泣き虫じゃねえよ!オレ大人になったんだ!」
そう言うとアイリは服のベルトを外してズボンを下ろし、上着をまくり上げた。
「どうだ!乳も出て来たし、マ○毛だって生えてきてる!大人だろ〜?」
そのままアイリは身をくねらせる。誘惑しているつもりらしい。
「分かったよ…お前は立派な大人だ。でもな、女ならもっと“恥じらい”って物を持つんだな」
ロリコンの気の無いアルスにはバカな小娘が裸踊りしているだけにしか見えなかった。

「な…何ですって!今、何と仰いました!?ヘッセン少将閣下…」
こちらは同じ幕営内の大天幕。ヘッセン軍とガイアール軍の幕僚達が集まり、今後の方針についての軍議が行われていた。
「もう一度言う、ロスト大佐。アンブレラ攻略は諦める」
ガイアール中将、ドルン准将亡き後、ガイアール軍の最高位であるロスト大佐は、目の前の若い将軍の言葉が信じられなかった。
「閣下!よもや臆されましたか!?何故ここに来てそんな事を仰るのです!?」
顔を真っ赤にしてまくし立てるロストに対し、フランツは冷静に言った。
「理由は色々あるが、最大の過失は銃の存在を敵に知られてしまった事だ。恐らく敵も何らかの対策を立てて来るだろう。このままアンブレラ城を攻めても無駄な犠牲を出すだけ…我が軍は勝機を逸したのだ」
「しかし、ガイアール中将やドルン准将の死はどうなるのですか!?お二人はついにアンブレラ城を見る事無く命を落とされたのです!どんなにか無念だった事か…!!」
「そうだ。たった300ちょっとの敵に撹乱されてな」
「な…っ!!?」
その一言でガイアール軍の幕僚達の顔色が変わった。
「閣下…閣下はニ将軍の死を侮辱されるのですか…?」
ロスト大佐は腹の底から絞り出すような声で言った。
「ニ将軍を貶めるつもりは毛頭無い。私は真実を述べたまでだ。アンブレラ城の兵力は五千、確かに数の上では我々が圧倒的に勝っている。だが300そこらの敵に極秘のはずの新兵器を使い、その挙げ句に将軍を二人も殺されているようでは、果たしてあの堅牢な城壁を突破出来ると思うか?」
「き…貴様が早く来ないからだぁーっ!!!」
ついにロスト大佐はブチ切れた。

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