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魔導騎女
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導騎女 2

落ちてしまった質は上げることも可能だが、それは酷く困難だと記しておこう。



さて。
これから始まる物語は、歴史に名を残す事になる魔導騎女とマスターの物語。
語られる真実は、小さな卵達の成長記録。

それぞれが織りなす『歴史』の真実は、貴方自身で確かめて頂きたい……。


―神凪(かんなぎ)の月、第ニの週、木の日―

ガレロード学園はアーシェ国のほぼ中央に位置する商業都市、ロマードの中に存在する。
ロマードはアーシェ王宮城下町の隣街で、馬車で一時間ほどの場所だ。
ロマードまでは馬車で待合所まで移動してくるのが普通だが、その少年は街の郊外から徒歩でやって来た。

「はぁ…ようやく着いたよ」

街まで、徒歩で二時間以上歩いて来た少年の名前はリリオット・ローグ。中性的な顔立ちからか、友人達はリオと呼んでいる。
彼はガレロード学園の今年の新入生であるマスターの卵だ。
ガレロード学園の入学式が行われる本日、ロマードにやって来たわけだ。

現在、リオの目の前には高さ三メートルを超える巨大な門。
国立ガレロード学園の門だ。入口には数人の男女がいるが、女性は全て様々な「鎧」を身に付けていた。つまり彼女たちは魔導騎女の先輩たちと言うことになる。
どうやら彼女達が受付係らしく、新入生と思われる生徒達が幾人か集まっていた。とりあえずリオもその受付に向かうことにした。


「お、おはようございます!」
「あらおはよう。貴方、新入生?」
蒼い鎧の魔導騎女はにっこり微笑みながら尋ねた。リオは入学案内書を渡す。


「リリオット・ローグ君ね。はい、これが君のマスターの証です」
手元の書類に必要事項を記入し、手続きを済ませると魔導騎女の先輩はリオに銀色の腕輪を渡した。小さな蒼い宝石が数個埋め込まれたシンプルなものである。

「これはね、貴方のパートナーを決める時に必要なの。大切にね」
にっこり笑うと、蒼い魔導騎女は引き続き受付に戻った。

「……綺麗だなぁ」

リオは腕輪をしばし見つめるが、ふと我に帰り、入学式が行われる総合ホールへと慌てて向かった。

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