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世界征服
官能リレー小説 - ファンタジー系

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世界征服 44

「え!?け…剣になっちゃった!?」
「だから、これがこいつの本来の姿なんだよ。俺の言うこと信じたか?」
「…うん」
フェルクはコクリと頷いた。
「…そう言えばアルガドラの力ってどのぐらいのもんなのか、まだ試してなかったなぁ…ちょうど良い」
ザインはアルガドラの柄を握って城跡の方に向かって構えた。
「試しにあの瓦礫をぶっ壊してみっか……ハアァーッ!!」
ザインは勢い良く剣を振り下ろした。その瞬間…

ズドオオォォォー――――――ンッ!!!!!

剣から放たれた超強力な波動弾が城跡を直撃した。城跡は跡形もなく消し飛んだ。それだけではない。波動弾はそのまま遠景にある山の山腹に巨大な穴を開けてしまった。
「…な…なんつー破壊力…」
あまりにも意外な結果に、波動弾を放ったザイン本人すら呆然としている。せいぜい壁の一部が壊れる程度だろうとの予想を遥かに上回り、この辺りの地形が変わってしまった。山の穴からは向こう側が見える。
「す…凄い…」
「ああ…古(いにしえ)の魔王達は一撃で一国を葬ったと言われていたが…まさかこの目でそれを見る事になろうとは…」
ダークエルフ達は思わず震え上がった。
「あ…あわわわわ…」
フェルクに至っては腰を抜かしてへたり込んでしまった。
「す…凄え…!!これがあればもう怖い物無しだ!勇者だって…ハハ…ハハハハハ……うぅ…!?」
次の瞬間、ザインは目の前が急に暗転したかと思うと意識を失い、バッタリと地面に倒れ込んだ。
「…ザっちゃん!!」
「ザイン様!?」
慌てて駆け寄るフェルクとダークエルフ達。
「心配はいらん。魔力を使い果たして気絶しただけだ…」
人間の姿に戻ったアルガドラが冷静に言った。
「今の一撃で魔力を全部…?」
「うむ、タダであんな攻撃が放てると思ったら大間違いだ。こうなったら向こう一ヶ月は波動弾どころか魔法は全く使えんぞ」
「そ…そんな…」
つまり波動弾(仮称)は一撃必殺の最終兵器という訳である。
倒れたザインと魔剣“アルガドラ”をバドラスが待つ王宮へとフェルクが転送する。

「なんと……」

「私が付いていながら……バドラス様、申し訳ありません」

フェルクは厳罰も覚悟したがバドラスは膝をついて言う。

「そちの行動が無ければえらい事になっていた、フェルクここに移住しないか?無論部下達と共に」

「もったいない御言葉……ですが」

「消えるな」

ザインが気がつく。

「フェルク、今回は俺の失態だ」

「この事は他言無用だ、よいな」

バドラスがそう告げる。


「「「は…!」」」
その場にいた全員が頷いた。何せ天下の魔王が1ヶ月も魔法が使えないなんて、もし敵側に知れたら魔族は終わりだ。
「ザっちゃぁ〜ん!!」
フェルクはザインに抱き付いて泣き出した。
「これからはずっと一緒にいて良いんだね?」
「もちろんさフェルク…」
ザインはまだ良く動かない腕でフェルクの頭を撫でてやった。
「ところでバドラス…なぜ城の一部が壊れている…?」
「あ!そうでしたザイン様、ザイン様のおられぬ間に色々とございまして…」
「…その顔では“色々”というのはあまり良い事ではないようだな…まあ良い、聞かせろ」
「はあ…」
バドラスはヤマト国のシノビに城を破壊され王子とローラに逃げられた事、さらに同国の魔王軍が現地の魔物軍に敗れ、バドラスが築いた拠点を失った事を話した。
「おのれヤマトめ!」
ザインは歯軋りして悔しがった。心情的には今すぐ全軍で以てヤマトに攻め込んでやりたい所だったが、それを実行したら、せっかく一からここまで盛り返した勢力を著しく消耗してしまうのは目に見えている。それにザイン帝国からヤマトに至るには途中に幾つもの人間の国々があって無理だ。
「それにしてもヤマトのシノビ共は何とかせねばならんな…」
「その通りです。あの“アマテラスのスパイ”は大陸中に潜伏し、常に各国・各勢力の動きを監視しており、アマテラス女皇は大陸の中央から遠く離れたヤマトの地にありながら、他のどの国の元首よりも大陸の情勢に通じていると言われている程でして…」
「厄介だな…バドラス、シノビ共の活動を封じる事は出来るか?」
「お任せください…」
バドラスはシノビの対策に関して、ある考えがあった。

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