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世界征服
官能リレー小説 - ファンタジー系

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世界征服 41

「お前達三人に訊きたい事がある。今後の我が国の対外政策についてだ。知っての通り、魔王ザインが復活し、既に一国が滅ぼされた。諸国は大変な脅威を感じている。このような情勢下にあって我が国はどのように振る舞うべきだと思う?」
「ふむ…」
「そうですね…」
「私の独断と偏見でよろしければ…」
息子達はなぜ父親がいきなりこんな質問をして来るのかを何となく察し、言葉を選びながらも父の問いに素直に自分の意見を述べた。
まず第一皇子アルベルトが口を開いた。
「私は他の三国との協力関係を維持しつつも、魔族との相互理解の可能性も探ってみるべきかと存じます…」
無難だ。いかにも“長男”らしい。双方に配慮した安全策である。心が優しく良く空気を読むが決断力が無いアルベルトらしい判断と言えた。
次に第二皇子イシュトヴァーンが言った。
「私は兄上の意見には反対です。魔族は人類の敵、この世界から排除すべき存在なのです。相互理解?冗談じゃない。断固として魔族と対峙していくべきだ。いや、逆にこちらから魔族に対して先手を打つぐらいでなきゃあいかん!南侵のために準備していた兵力を魔王ザインの国に差し向けましょう!指揮は私が取る!我々がこうしている間にも魔族は日々その数を増やし強大な勢力になっているんだ!!」
過激論である。やや感情的で理性を欠く。しかし、この性格が保守派貴族や一般国民にウケが良い。カリスマ性というのは案外こういうものなのかも知れない。戦争なんかになったら一番犠牲を強いられるのは他ならぬ国民であるはずなのだが…庶民達はそこまで考えてはいないのだろうか。
最後は第三皇子ウルリッヒである。
「私もお二人の意見とは少々異なりますね」
「どうするのかね?」
「魔族と協力してロザリア、アルティス、ヤマトを滅ぼすのです。占領した領土は魔族と山分け。そして魔族と大陸を二分する。我が国はライバル国がいなくなり人類最大最強の帝国として栄え、暖かい南の地も手に入る。隙を見て魔族を滅ぼしてしまえば晴れてグランディアによる大陸統一です。どうです?」
ムチャクチャだが面白い話だ。確かにウルリッヒの案が一番グランディアが幸せになれる。現実の様々な諸問題に目を瞑っても良いのであれば実行したいぐらいだとシュルツは思った。
「宰相、これらの意見はどう思うか?」

「確かにウルリッヒ様の戦略は我が国の悲願を達成できますが……魔王との協力は出来る限り短くしなければ飲み込まれます……あの国が近隣諸国に侵略しないのは国力が無いからです。かと言って侵略でもすればその国の男は魔物の餌、女は魔物を産む肉袋にされます」

「つまりアルベルトの考えがベターなのか……」

「はい……イシュトヴァーン様の戦略ではこの国は滅びます」

イシュトヴァーンがムッとする。

「勇者を探せばよい!!!」

「その勇者様は何故我々の前から消えたのか……考えた事がありますか?」
「単に修行の旅だろう」

「では、魔王の再起に何故勇者が姿を現さないのか……恐らく、勇者どのが魔王の生死を確認しないまま魔王の国を離れるしかなかったのではないかと思ってます。ですが魔王は倒れたと言う一報が流れた……」

四人ともハッとした。

「……私としてもこの事は気を掛けてましたが最悪な事態に事が進んだ以上……勇者殿の行方を捜しつつもザイン魔王国の同行を見つつも事を進める事を提言します」

「うむ……そちの祖国だったな、今のザイン王国は」

「はい……恐らく女子供は人の姿になってないでしょう」


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