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世界征服
官能リレー小説 - ファンタジー系

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世界征服 28

「ヴァスティ様は大陸のお方だから分からないかも知れませんが、シュテンドウジを侮ってはなりません!ヤツが声を掛ければヤマト中の魔物が立ち上がります!」
「フン…例えヤマトの魔物が総出で攻めて来たとしてもこの要塞は落とせはしないさ!何せバトラス様がヤマトを去る前に残して行った強力な魔法結界で守られてるんだからねぇ」
「しかし用心に越した事はありません。我々も各地に散っている仲間達をこの要塞に呼び集め抗戦の準備をしましょう。これは噂ですが、敵にはあの勇者アルスが加勢しているという話もありまして…」
「勇者か…確かにヤツがまだこのヤマト国内にいるとしたら、今回の戦は必ず噛んで来るだろうねぇ…。だが今のヤツには聖剣が無い。ザイン様を倒した時のようにはいかないはずだよ」

その頃、オオエ山にはシュテンドウジの求めに応じた各地の魔物が続々と集まって来ていた。その様たるや、さながら百鬼夜行の如しである。
「まるでこの世の物とは思えない光景だ…」
アルスは大陸の魔物達とは一風変わった彼らの姿を見ながら呟いた。
「ハハハ…そんなに妖怪が珍しいか?アルス殿」
声をかけられて振り返るとハンゾウがいた。彼の肩には一羽の鳥が留まっている。
「ハンゾウ殿、その鳥は…?」
「これは我ら忍びの者が使う連絡用の妖術鳥だ。大陸に放った我が一族の者の一人が送って寄越したのだ。それによると偶然にもソナタの聖剣を見つけたらしいぞ」
「せ…聖剣だって!?聖剣は今一体どこにあるんだ!?」
「そう焦るな…鳥によると聖剣は数人の騎士達によってアルティス商業連合に運ばれているという事だ」
「アルティス?妙だな…」
セレナは王子が聖剣を持ち出したと言っていたが、彼ならばてっきり神聖ロザリア教国に向かうと思っていた…。しかし所在が判っただけでも有り難い。
「ありがとうサスケ殿!この戦いが終わったら早速アルティス連合へ旅立つとしよう!」
「うむ!見事魔王を討ち取れるようヤマトの地から武運を祈っておるぞ。だが今は…」
「ああ、まずはヤマト国のザイン派の魔物達を倒す事だな…」

「時は来た…」
シュテンドウジは集った魔物達を前にして言った。
「今こそヤマトに蔓延る海外勢を駆逐する時だ!行くぞぉ!!」
「「「「ウオオォォォォ―――――ッ!!!!」」」」
数万の魔物達によるおどろおどろしい雄叫びが上がった。
ツクヨミは後ろに控えたハンゾウ、サスケ、真田幸正に言った。
「ついに魔物共の出陣じゃ。我らも参るぞ!」
「「はっ!」」
そしてシュテンドウジ率いる魔物の軍勢は敵の本拠地フジ山に向けて進撃を開始したのであった。


その頃、ザイン不在のザイン帝国では、ザインの第一の妻で将軍でもあるアレンが魔王代理、バトラスがその補佐役として一切を取り仕切っていた。
ここは城の地下にある牢獄、そこに裸の男女の姿があった。王子とローラである。二人はバトラスに捕らえられた後、ここに閉じ込められていたのだ。
「ローラ、お前は魔王ザインの第二の妻で魔物達を率いる将軍の身分だったそうだな…今は人間に戻ってしまったが、再びザインに恭順を示せば牢から出してもらえるのではないか?」
「いえ、せっかく人間に戻れたのです。私はもう魔物に戻る気は毛頭ございません。もしかすると…」
「何だ?」
「お祖父様があの剣を作ったのは、私を人間に戻すためだったのかも知れません…」
「そうか…そう言われてみればそうかも知れんな…」
「はい、今となっては確かめる術もありませんが…」

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