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世界征服
官能リレー小説 - ファンタジー系

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世界征服 22

「ふぅ…国境は越えたし、ひとまずは安心だな。よし諸君、ここらで休憩にしようじゃないか。もう飲まず食わずで二日も歩き通しだしな…」
「はぁ〜」
「やっと休める…」
騎士達は倒れ込むように眠りに着いた。隊長も聖剣を枕元に置いて眠った。

翌日も一行は歩き続けた。口にした物と言えば途中で見つけた小川の水だけ。そしてついに…
「村だぁ!村が見えたぞぉ〜!」
小さな農村だった。そこで一同は久しぶりの食事と風呂にありついたのであった。
「さて諸君、ここらでこの…」
夜。皆は輪になり、隊長は聖剣を中央に置いて言った。
「…聖剣をどうするか。決を取ろうと思う。現在我々は神聖ロザリア教国の領内にいる訳だが、このままロザリア教国に引き渡すべきだと思う者は挙手せよ」
5〜6人が手を挙げた。
「ではアルティス商業連合に引き渡すべきだと思う者…」
4〜5人が手を挙げた。
「グランディア帝国…」
3人。
「ヤマト国…」
2人。
「その他の国…」
3人。
「ぶっちゃけどうでもいいと思っている者…」
2人。
「…では民主主義の原則にのっとり、このままロザリア教国に…」
「待ってください!」
「納得出来ません!」
アルティス派が立ち上がって叫んだ。
「何だ!?もう決まっただろうが!」
「女々しいぞ貴様ら!」
それに対して怒鳴り返すロザリア派。
中には剣の柄に手をかける者もあり、あわや斬り合いか…という所で隊長が立ち上がって言った。
「諸君!!諸君らは何か勘違いをしてはいないか!?聖剣は最終的に勇者殿に引き渡されるものである!解るか!?どこの国に持って行こうがそれは中継、最後には勇者殿の手に渡るのだ。我々はその、いわば“聖剣のリレー”の最初の担い手に過ぎない!それで良いではないか!?」
「聖剣リレー…ですか…」
「う〜む…」
騎士達は黙った。表面上は一応納得したのだ。だが皆は何となく、この件はこのままでは済まないような気がしていた…。

翌朝、久しぶりに柔らかいベッドでグッスリ眠れた隊長の部屋にアルティス派の騎士達が訪ねて来て言った。
「隊長!」
「どうした?まだ不服があるのか?」
「いえ、もう聖剣に関しては何も言いません。多数決で決まった事です。それより私達はここで皆と別れてアルティス連合へ向かおうと思います。その許可をいただきたいのですが…」
「そうか…そんなにロザリア教国が嫌なんだな?」
「はい。坊主憎けりゃ国まで憎いとも申しますし…」
「…分かった。そこまで言うなら止めはせん。行きなさい」
「ありがとうございます!隊長」
こうしてアルティス派の4〜5人はアルティス連合へ向けて旅立って行った。
「じゃあ達者でな!」
「聖剣が勇者殿の手に渡って、魔王討伐の兵が上がった時は必ず馳せ参じるぞ!」
「うむ、我々も聖剣が確実に勇者殿の手に渡るまで見守るつもりだ!」
「坊主に恋人寝取られた事バラして済まなかったなぁ…」
「なぁに、気にしてないさ!」
彼らは爽やかに旅立って行った。隊長は残った騎士達に言った。
「さぁ!我々も聖都へ急ごう!」

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