PiPi's World 投稿小説

世界征服
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 9
 11
の最後へ

世界征服 11


次の日の夜、マリンは言われた通り息子のヨハンと娘のアンナの手を引いて、都の郊外にあるボロ小屋にやって来た。
「こんばんは〜…て、なんだい!同業者でいっぱいじゃないか!」
小屋の中には同じ娼婦連中が集まっていた。子連れも少なくない。しかも皆、若く、健康で、美しい娼婦ばかりだった。
マリンはその中でも特に美しい娼婦を見つけた。
「ユリアじゃないか!?都で一番人気の高級娼婦でグレゴリウス教皇様の愛人の…!」
彼女なら生活に困ってなどいないはず…一体どういう事なのか。
ユリアと呼ばれた高級娼婦は髪をかき上げながらツンとすました様子で言った。
「ワタクシ、子供を身ごもってしまいましたの。時期的に考えてグレゴリウス様の子に間違いありませんわ」
「それで?」
「もう!鈍いお方ですわね!グレゴリウス様は神官の長…教皇様ですのよ!?」
「あ!そうか…」
清らかな身(童貞)でなければならないはずの神官…その長である教皇が、この世で最も賤しい存在であるはずの娼婦との間に子供を作ったとなれば大スキャンダルだ。教皇の座を狙うライバルに格好のネタを提供する事になる。そうならないためにすべき事は一つ。明るみに出る前に母子共に始末してしまう事だ。
「グレゴリウス様はワタクシとお腹の子を亡き者にしようと…ぐすん…あんなに愛してくださっていたのに…うぅ…」
「アンタも大変なんだね…」
そんな話をしていると、あの男がやって来た。
「皆、集まったな。では行こうか。表に馬車が用意してある」
娼婦は十人前後、彼女達の子供まで含めると15〜6人が馬車に乗り込んだ。大型の馬車だったが、こうなるとかなり狭い。だが構わず出発した。
「母ちゃん、狭いよ〜」
「我慢しな」
「このお姉さんお尻押し付けて来るよ〜」
「ちょっとユリア!捨てられたからってウチの息子を誘惑しないどくれよ!」
「まあ!失礼ですわね!?ワタクシだって分別くらいわきまえてますわ!」
ギュウギュウ詰め。芋を洗うような状態とはこの事だ。皆を引率して来た男は前の御者台に御者と共に腰掛けて話し合っていた。
「うるせえヤツラだな。ある程度ツラの良いメスを選んで来たが中味まではどうしようもねえや」
「まあ良いじゃねえか。家畜にゃあ教養も品格も必要ねえ。やる事やってガキ産んでりゃあ、それで良いんだ」
「一緒に連れて来たガキ共も家畜にすんのか?」
「オスガキは家畜にするが、メスガキは家畜にする奴と魔物と交わらせる奴とに分けるんだとよ」
「ふ〜ん…しかし人間を家畜にしちまうとはなぁ…魔族ってのはケッタイな事を考えるヤツラだぜ」
「まあ、俺らは金払いさえ良けりゃあ相手が魔族だろうが教会だろうが商売するだけだがな…」

「ちょっと!おかしくない!?この馬車の向かってる方向…こっちって魔王の国じゃないの!?」
「本当だわ!どういう事なのよ!?」
さすがに国境を越えた辺りで娼婦達も変だと気付いて騒ぎ出した。
「騒ぐんじゃねえ!!」
男はムチを取り出し、ピシリと鋭い音を鳴らして娼婦達に言った。
「お察しの通り、貴様らの新しいご主人様は魔王ザイン様さ!おっと、逃げようなんて考えは起こすなよ。俺達の仲間が各地に網を張ってるからすぐに捕まるぜ。捕まったら二度と逃げられないよう、手足を切り落としてダルマにしてやるからな。ガキ連れは親子共々だ…ケケケ」
それを聞いた娼婦達は身を震わせた。
「だ…騙されましたわ…」
魔族は人間の女を捕まえると死ぬまで犯しまくり、死んだらその肉を喰らう…と教会は言っていた。
「母ちゃん…」
「私達どうなるの?」
「大丈夫だよ…母ちゃんが付いてるからね」
マリンは脅える二人の子供をギュッと抱きしめた。
行く手に小さくザインの都が見えて来た。

「神聖ロザリア教国から連れて来たメス共です」
「うむ、ご苦労だったな…ほれ報酬だ」
「へへ…ありがとうござい…」
バトラスは金を男達に渡し、娼婦達は魔族の手に引き渡された。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す