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ドールマスター〜人形師〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ドールマスター〜人形師〜 1

―とある世界…
―無機物にすら魂が宿る世界…
―特に人形は人と同じ知性と、人を超えた力を持つ従者にして奴隷にして友達……
―これはそんな世界に生きる人形師の物語


「マイスター…食事の用意が整いました」
そう言ってメイド服の少女…私の初めての人形[葵]が声をかけてきた。
「あぁ…今行くよ♪」
眼鏡を外し、目頭を揉みほぐしながら私は答える。

私は[アインスヴェル]…しがない人形師。郊外の工房でオーダーメイドの人形を作りながら静かに暮らしている。
今は急ぎの仕事もなく穏やかな日々を過ごしている。これでも十代の頃は熱い想いを胸に……戦闘人形-バトルドール-などにも手を出していた…だが戦争で消えてく彼女たちの姿に私は耐えられず、今は愛玩系を専門としている。
ブランド名は[Flyugel]……"翼"を意味する名だ。

それは人形をお買い上げになられたお客様だけでなく、作った人形も幸せに羽ばたいてほしいという意味でつけた。
愛玩系というと何かといかがわしい誤解されるが、私の作る人形は子供の教育係や老人の介護、子供のできない夫婦などの心に隙間を持つ人たちの心を癒すための人形だ。
戦闘用の人形を作っていた頃とは違う、言わば新しい家族となる人形を作る日々はとても平穏で、幸福な日々であった。
しかしどんなことをしても過去に我が娘である人形たちにした罪は消えないし、逃れることはできない。
幸福で平穏な日々はある日唐突に終わりを迎えた。
それはこれからの未来を暗示するかのような暗雲垂れ込める雨の降っていた日のことであった。


「雨が続くと…憂鬱ですね、マイスター」
「そうですね…ですが、これも人に恵みをもたらしてくれます…」
雨音を聴きながら過ごす、午後の一時……そんな空気を破り、過去がやってきた。

ドンドンドンドン!

表の扉を誰かが叩いている。
「はぁい」
葵が突然の来客に対応しに行く。はて何か約束でもあったでしょうか…。
「マイスター!大変です…紅蓮が、紅蓮が帰ってきました!!」
告げられた名は、私の罪―過去造った戦闘人形のものだった。

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