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FANTASYC PSY
官能リレー小説 - ファンタジー系

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FANTASYC PSY 10

森の中を男衆が草木を分け入って、奥まで歩いていく。時々、周りを警戒しながら前に出てきた哀れな獲物を仕留めていき、村への手土産を増やしていく。

狩りでの主役は弓矢で、邦人は残念ながら弓矢を扱った事はなく借りたロングソードでビッグボアや狼などの肉食動物が接近した時の為の護衛となった。

普通、肉は鳥、家畜の豚や牛が主だが、確か狼も食えるはずだと邦人は考えていた。

なにかの漫画本か歴史の本で戦後の日本で犬を食っていたという描写があったのを思い出したのだ。

だが、流石に肉食類は筋力が発達しているだけに筋が固く、臭みもある事はそこまで邦人は知らなかった。

幸い、道中そういった危険な動物が出てくる事もなかったがメインのビッグボアも出てこない。探し回って数時間が経過し、現れない獲物に焦れて来た時だった。

「ビッグボアが出たぞ!!逆上してやがる!!注意しろ!!」

分かれていた班から大声で獲物の出現を知らされる。空気が強張り、緊張感が漂う。地響きがなり、それらしき鳴き声と木を圧し折る音がする。
そして一瞬、それらの音が掻き消える。

ブキイイィイイィッ!!

次の瞬間、現れたのは邦人の知っているイノシシをひとまわりふたまわり大きくしたようなヤツが姿を現した。
ビッグボアだ。口からは鋭い牙を生やしたその姿は雄々しく、野性の厳しい環境を生き抜いてきた相手であることがイヤでも伝わってきた。
命を狙われ、逆上したビッグボアは目に映る生き物全てを敵と認識し、一瞬の迷いもなく邦人たちに突っ込んできた。
邦人は獲物の気迫に押され、一瞬その場から逃げ出したくなってしまう。
しかし狩りに慣れた村の連中はそれに怯むことなく、当然の如く、武器を片手に迎撃の体勢をとる。
それを見た邦人もあわててそれに続く。
弓では間に合わないので、ロングソードやナイフを手にした村人たちは、ビッグボアの攻撃を避けつつ刃を突き立てる。
しかしさすがに全員はかわしきれる訳がない。
中にはビッグボアに弾き飛ばされるものもいる。
生と死の狭間、邦人が人生で始めて味わう極限の状況下でビッグボアの突進がすぐ目の前にまで迫っていた。
邦人は慌てて、近くの大木の影に逃げ込む。

ドドドドッ!

ビッグボアは猪突猛進の言葉そのままに駆け抜けてゆく。

「イオオオ!」
吠えながらもう一度突進してきた。
邦人は今度は大木の反対側に素早く身を隠して、ビッグボアが大木のそばを通りすぎたその瞬間、渾身の斬撃を振り下ろした!

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