FANTASYC PSY 67
「・・・おまえな。痛いのはわかるが、こんな美少女と狭い空間にいるんだぞ?
もうちょっとムードを大切にせんか」
「ん、んなこと言っても、痛いものは痛・・・あだだだだっ!?」
苦言を言われても、邦人の悲鳴は止まらない。
マギは少々不愉快そうに眉をひそめた。
だが何かいいアイデアでも思いついたのか、顔から不満が消え、イタズラ小僧のような、悪意のこもった笑顔を浮かべた。
「・・・なぁ、邦人?そのツラい痛みを抑える、よい方法があるのだが・・・試してみるか?」
「・・・何か猛烈に嫌な予感がするんだが。気のせいか?」
「気のせいだ。なぜなら・・・」
チュッ・・・。
言い終わるより先に、突然マギの唇がオレの唇をふさいだ。
あまりに唐突でショッキングな展開に、オレは陸に揚げられた魚のように口をパクパクさせていると。
マギが艶っぽい目と表情を浮かべながら、こう言った。
「男にとって、こぉんなにオイシイ話、断る理由があるまい?」
「はあああぁぁぁ・・・むぐッ!?」
その言葉でスイッチの入ったオレは、思わず叫ばずにはいられなかった。
だが声が森全域に響き渡るより先に、すばやくマギによって口を封じられる。
「こらこら、大声を出すな。
誰かに見られたらどうするつもりだ?
それとも誰かに見られたほうが興奮するのか?」
「ふぃ、ひが・・・!(ち、違・・・!)」
「安心しろ。あのメアリーとかいう女には内緒にしてやる。
私はただいろいろと知りたいだけなのだ。
本で知った房中術という秘術が本物なのか。
おまえのPSYとか言う能力は何なのか。
異世界人であるおまえとの間に、子供はできるのか・・・とかな?」
「むがーーーーーーッ!!??」
オレとメアリーの関係に気を使ってくれるのはうれしい。
だがこのままでは貞操の危機、ヘタすれば生命の危機につながる展開を感じ、オレは全力で抵抗を試みた。
激しい動きに全身が痛むが知ったことか!
しかしそんな反抗的な態度が、マギにはお気に召さなかったらしい。
彼女は眉を寄せ、明らかな不満の表情を浮かべた。
「何をそんなに嫌がる?
女が自分から抱かれたがっているんだぞ?
もったいないオバケが一個大隊組んで出てくるぞ?」
「そ、そんなん知るかっ!?
つーか、この世界にもいるのか、もったいないオバケって!?」
パニくるあまり、変なことにまでツッコだした邦人。
その様子に埒が明かないと判断したメアリーは、ほのかに光りだした人差し指で何かを描きながら何事かつぶやく。
そしてそれが言い終わると同時に、光る指を邦人に押し付けた!
「ぎゃぷらッ!?」