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FANTASYC PSY
官能リレー小説 - ファンタジー系

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FANTASYC PSY 64

「メアリーがあのビームを使ったのはあれが初めてなんだ。
 また都合よく出せるなんて思えない。
 それならオレが出る」
「あなた・・・!まさか、自分が囮になるつもり!?」
「まさか。ちゃんと勝算はあるさ。
 ただかなり危ないんでな。みんなには離れてもらいたいのさ」

邦人の能力をよく知っているメアリーは、その言葉を聞いて血の気が引いた。
邦人は刺し違える覚悟で、あの能力を使うつもりだ!
今度はメアリーが邦人を止める番だった。

「だ、ダメよ邦人ッ!私なら大丈夫だからッ!?」
「オレなら成功しても失敗しても、確実にアイツを追っ払える」
「・・・それが、1番確実なのだな?」
「ああ。ここはオレに任せてくれ」

マギの質問に力強くうなずく邦人。
その様子に感じるところがあったのだろう。
彼女は邦人の賭けに乗ってくれた。

「よかろう。ここはおまえに全てを託すとしよう」
「・・・ッ!?ま、マギっ!?」
「悪いな」
「だが失敗なんてするなよ。おまえにはいろいろ聞きたいこと、調べたいことがある。
 死んでもらってはそれもできんからな。
 レイン。ルーク。行くぞ」
「・・・わかった。死ぬんじゃねえぞ、邦人」

そのやり取りにレインたちも気づいたのだろう。
2人は反論することなく森へ避難し始める。
メアリーを連れて。

「いやああぁぁあぁッ!?邦人っ!邦人ぉっ!!」
「大丈夫だって。必ず帰るからさ」

死亡フラグを立てるようなセリフを軽く口にしながら、邦人はギガント・バードによって消された森のほうへ歩いていく。
あれの目につきやすいように。確実に自分に襲い掛かってくるように。
邦人の命がけの戦いが、静かに幕を上げようとしていた。

ピイィィィ・・・ッ!

上空でギガント・バードが鳴く。
邦人がわざわざ自分の餌食になりに来たことを、あざ笑っているのかもしれない。
笑いたければ笑え。むしろそっちのほうがやりやすい。
邦人はバクバクと早鐘を打つ心臓を、必死に落ち着かせながら呼吸を整える。
さっきの攻撃の威力を見る限り、次はない。一発勝負。
しかし自分には無敵のPSYがある。
当たりさえすれば、こっちの勝ちだ。

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