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FANTASYC PSY
官能リレー小説 - ファンタジー系

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FANTASYC PSY 62


「来るぞッ!全員その場に伏せろーーーッ!?」

言われるまでもない。
邦人たちは我が身を守るため、スピードを殺すことなく地面に向かってダイブした。

「キャアアアァァァッ!!」

すぐそばまで迫ってきていた鳥の化け物は、突風をまとわせ邦人たちを急襲。
しかしその爪は邦人たちにあたることなく、むなしく空を切った。

ビュオオォォォ・・・ッ!

すさまじい強風と共に遠くなっていく巨鳥。
風が弱くなり、安全になったことを確認した邦人は、突然の出来事にややキレ気味にルークたちに事情説明を求めた。

「おいっ!何だったんだよ、今のデカい化け物鳥は!?」
「『ギガントバード』だ!この辺に生息する空の支配者!
 くそっ、なんでよりにもよってコイツが・・・!」
「愚痴は後にしておけ!ギガントバードのヤツ、もう一度突っ込んでくる気だ。
 森の中に逃げ込むぞっ」

あの恐ろしい一撃がまた来る。
その言葉に邦人たちはあわてて逃亡を再開する。
立っていられないほどの強風を巻き起こすほどの攻撃をしてくるとは言え、相手は鳥だ。
森に姿を隠せば自分たちを見失うはず。
邦人たちは必死になって森の中へと逃げ込んだ。
一足先に森に入って巨鳥の様子をうかがっていたルークが叫ぶ。

「来るぞっ!?みんな、地面に伏せろーーーッ!!」

ルークの警告にみんなあわてて地面にその身を伏せる。
それからわずか十数秒後、あのすさまじい突風が死の恐怖を引きつれ、舞い降りた。

ゴウッ・・・!バキッ!バキバキバキッ・・・!

嫌な予感しかさせない忌まわしい物音を立てながら、強風が駆け抜ける。
そして攻撃をやり過ごしたのを確信してから顔を上げると。
そこには想像を超えた恐ろしい光景が広がっていた。

「お、おいおい・・・!冗談じゃねえぞ・・・?!」

ギガントバードの通り過ぎたと思われる場所の森は森でなくなっていた。
木々は折り倒され、一部は根っこから上が丸ごと持って行かれている。
まるで竜巻が通り過ぎたような惨状に、さすがの邦人も真っ青になっていた。
障害物のある木々があってこの様なのだ。
この状態でもう1回来られたときのことなど、想像もしたくない。
そこで邦人はいまだピンチを抜け切っていないことに気づき、あわてて空を見上げる。
そこには上空を旋回する、巨鳥の姿が。
冗談じゃない。邦人は全身から血の気が引く思いだった。
あんな自然災害みたいな攻撃、1回よけるだけでも必死だったのに、何度も来られてはかなわない。
とは言え、何とかしようにもあんな高いところにいるのでは、文字通り手も足も出ない。
そこで邦人の脳裏にある記憶が蘇る。

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