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FANTASYC PSY
官能リレー小説 - ファンタジー系

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FANTASYC PSY 60

他言無用であることを念押しした上で、邦人はすべてを語り始めた。
自分がこの世界の人間ではないこと。
PSYと名付けた特殊な能力のこと。
好奇心がMAXを振り切るほど上がってしまったマギの質問攻めに辟易しながらも、すべてを話した。
知識欲旺盛なマギはともかく、常識的な思考の持ち主であるレインとルークは邦人の話を信じられないようであった。
しかし邦人の衣服や十得ナイフなどの見たこともない道具、何よりPSYというこの世界の魔法の域を超えた力を目の当たりにして、さすがの彼らも真実を受け入れざるを得なかった。

「・・・うそ」
「別世界の、人間・・・?」
「信じる信じないはそっちの自由だ。
 少なくとも、オレはうそを言ってない」

あまりの非現実的な話に固まっているレインとルークに、邦人は少々投げやりにそう答えた。
異世界へ迷い込んだ邦人自身さえ、時々信じられなくなるのだ、無理もない。
・・・矢継ぎ早に質問するマギの相手で、疲れていたせいもあったが。
レインとルークがどう対応していいかわからず、呆然とする中。
たった1人の人物だけはまったく違う反応を見せていた。
誰かは言うまでもない。マギだ。
全てを聞いた彼女は、あふれ出る何かに耐えるように拳を固め、ブルブルと震えていたが・・・。
やがて感極まって、歓喜の叫びをあげた。
それは後にこの場にいた全員が再び衝撃に固まってしまうほどの爆弾発言の前触れであった。

「く・・・くく・・・あーっはっはっはっは!」
「ま、マギ・・・さん・・・?」
「ど、どうした?あまりの展開に気でも触れたか?」

突然大声を出して笑い出したマギに、他の面々が腫れ物でも触るかのように、恐る恐る声をかける。
しかし彼女は気など触れていなかった。
むしろ喜んでいたのだ。

「気が触れた?そうだな、気が触れたかもしれん。
 私が研究していた『召喚術』の成果を、こんなところで目の当たりにしたのだからな!」
「・・・え・・・?」

その場にいたものはマギが何を言っているか、理解できなかった。
あっけに取られる一同を放置して、マギは言葉を続ける。

「わ、私は世界に名を知らしめようと、さまざまな研究を行ってきた。
 その1つが『召喚術』という、古の魔法だ。
 我々の世界とは違う、別の世界の存在をこの世界に呼び寄せるという、失われた大魔法をな!」
「なっ・・・!?」

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