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FANTASYC PSY
官能リレー小説 - ファンタジー系

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FANTASYC PSY 59

「魔法の場合は魔力でマナを媒介にして事象を引き起こすのが一般説だが……なるほど、だからお前がヒートを仕掛けた時もあのレイとやらが放たれた時も魔力が感じられなかった訳だ」
「ただ、メアリーはPSYに目覚める兆候がなかったのになんで目覚めたのか分からないんだ。心当たりは無いし」
頭を傾げて考え込む邦人。先ほどのヒートも反動の頭痛が多少痛く感じただけで済んでいた。加えて、メアリーと肉体関係を結んでから精神的負荷とも言える頭痛の度合いが少なくなっているような気がする。
「いや、まさかな」
ありえないと思って頭を振る。
「どうした?何か心当たりでも……」
「いやいや、なんでもない」

邦人は頭を振って浮かんだ考えを念入りに消去する。
HしたからPSYに目覚めた・成長したなんて、ご都合主義にもほどがある。

「とにかくこの能力のことは誰にも話さないでくれ。
 この能力のおかげで、オレとメアリーはひどい目に遭っているんだ」

その言葉に、レインとルークは意見にしわを寄せたまま、沈黙を約束してくれた。
どうやら2人には邦人の説明はレベルが高すぎてついていけなかったらしい。
まぁ、無理もない。
少なくともこの世界の人たちは、農業や林業に詳しくても、科学や工学技術に詳しいなんてとても思えない。
何しろ人間をエサにするような、モンスターなんて凶悪な生物がわんさかいる世界だ。
生きるのに精一杯で、物理法則を調べる余裕なんてないのが普通だろう。
邦人がそう納得しかけたその時。
横からそんな彼の推測を真っ向から否定する人間が、顔を近づけてきた。

「うおっ!?な、何だ!?」
「何を勝手に話を終わらせている!?
 もっといろいろなことを話せ!
 こんなに知的欲求が刺激されたのは久しぶりなんだ!
 おまえの知りえる知識のすべてを私によこせ!」

目を子供のように輝かせ、何とも理不尽な要求をするマギ。
どうやら彼女、この世界でも『変わり種』に属する人間らしい。
もっともっとと話を要求してくるマギの様子に、邦人はもちろん、話を理解できなかったレインとルークさえもが呆れて彼女を見つめていた。

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