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FANTASYC PSY
官能リレー小説 - ファンタジー系

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FANTASYC PSY 57

呆然と呟いた邦人と同様にメアリーもまた、PSY レイと後に名づけられる能力に目覚めた。
同じPSYを持つ邦人ですら、あっけに取られる中、事態を飲み込めない村人たちが、ざわざわと騒ぎ始める。
その声にいち早く我に返った邦人は、気絶したメアリーと目をキラキラ輝かせてゴーレムの下半身を見ているマギを抱きかかえ、急いでその場を後にする。

「あ、おいっ!?」
「ちょ、ちょっと待って!?」

レインとルークの呼びかけも無視して、急いでその後を追う。
こうして山間の村で起こったゴーレム騒動は、村人たちの知らぬ間に幕を下ろしたのであった。

――――

邦人は走った。とにかく走った。
村を出て、道を駆け抜け。ひたすらに走り続けた。
それからいったいどれくらい走り続けただろうか。

「ハーッ!ハーッ!」

精根尽きる寸前まで走った邦人は、一休みできそうな場所を見つけると、そこでようやくその歩みを止めた。
荷物とマギをその場に放り捨てると、残った体力でPSYを使ったメアリーの呼吸と脈を診る。
・・・異常なし。寝顔も安らかなものだ。
メアリーの無事を確認した邦人は、もう限界とばかりにその場に倒れ込んで新鮮な酸素を補給した。
「一息ついた所で悪いが、君の連れが放ったあの異様な攻撃の説明をしてもらおうか?もちろん、隠し事をしているであろう何かも含めて」
マギの鋭気な声が邦人に説明を求める。ルークとレインも声には出さないものの雰囲気で事情を求める。
誤魔化そうにも既にメアリーのPSYを見ているだけにどうしようもない。観念して邦人は全てを話す事にした。
だが、その前に念を押して他人には話さない事を条件にすると決めた。
「わかった。けど、この力を知っても決して他言無用。約束できるなら一から全て話そう」
「良いだろう。そこの傭兵二人も文句は無いな」
ルークとレインはこくりと頷く。
「俺は便箋上、この力をPSYと呼んでいる。通常人間の脳は30%しか使われてない。いや、脳だけではなく人間の体組織はある程度の力しか出せないように制約されている。なぜかと言うとそれ以上の力を出せば、容易く体が壊れるから。死ぬ間際に周りがゆっくりに映って走馬灯が過ぎると言うだろ?

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