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FANTASYC PSY
官能リレー小説 - ファンタジー系

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FANTASYC PSY 56

のろい動きとはいえ、激烈な破壊力の蹴りを防御することすら出来ずに邦人を蹴り飛ばす。
吹き飛ばされた邦人は民家の壁に皹が入るほどに叩きつけられた。
「がはっ!!」
叩きつけられた反動で壁から剥がれるように受身が取れないまま落ち、うつぶせのまま邦人は咳と共に血を吐く。
内臓を痛めたようだ。
PSYをコアに受けたゴーレムは何事もなかったかのように目に付く物を破壊しまくる。
「邦人!!しっかりして!!」
再び襲った危機にメアリーは涙を流す。
なんで邦人ばっかりにこんな危険な事をしないといけないの、と。
邦人の身に降りかかる理不尽さと不条理を、何も出来ない己の無力さに内心呪い吐いた。
(私にもっと、もっと力があったら……ゴーレムを止めれる力があったら……)
彼女の願いが神の届いたのだろうか?自分の両手が淡い光に包まれる。
回復魔法の光とも補助魔法の光とも違う光。
淡い光が少しずつ、力強く輝きを増す。
本能的にヤバいと悟ったメアリーはゴーレムに向けて両手を合わせて突き出す。
その距離がかなり離れているにも関わらず。
「レインさん、ルークさん!!離れて!!」
何が起ころうとしているのか?己の体の異変に、自分でも分からない現象にメアリーは焦る。
両手の光は目を開けていられないほどに眩いばかりに輝く。
自身の座高ほどの大きさまでに膨れ上がった光の塊が限界とばかりについに放たれる。
激烈な閃光の奔流が斜線上からぎりぎり退避した2人の傍を流れる。
「おわっ、なんだこりゃ!!」
「なんて……代物なのよ。こんなの魔法の範疇越えてる」
地面を抉り、ゴーレムの上半身を飲み込む。
僅か数秒の出来事の後に残ったのは……上半身のコアごと閃光が通った跡に沿って丸く抉られたゴーレムの下半身が残るだけ。
あまりの破壊力に唖然とするレインと戦慄するルーク。
放った当の本人であるメアリーも何が起きたのか理解できてない。
だが、そんな暇すら与えずに邦人が始めてPSYを使ったのと同様に痛烈な頭痛がメアリーに襲った。
「ああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「メアリー!!どうしたの!!」
目を見開き、体ががくがくと痙攣を起こす。
状況を理解したレインが駆け寄るがふらっとメアリーの体が力を抜けたかのように崩れ落ちた。
あまりの痛みに耐えられず、メアリーの意識は闇に沈んだ。
ずきずきと痛む内臓に耐えながら顔を上げて全てを見ていた邦人は何が起きたのか気が付いていた。
予兆すらなかったメアリーが放った閃光。
魔法の範疇を超えた破壊力。それを齎したのがPSYだと邦人は理解してしまった。
「有り得ないだろ。メアリーが……」

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