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FANTASYC PSY
官能リレー小説 - ファンタジー系

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FANTASYC PSY 55

邦人のことを考えるあまり、口が滑ってしまった。
もしこの女にPSYのことを知られれば、邦人がどうなるかわからないからだ。
とは言え、吐いた言葉を戻すことなどできるはずもない。
メアリーは質問に答えることもできず、窮地に追い込まれた。

「待て。今はそれどころじゃないだろう?」

そこに割って入ったのは邦人だ。
彼はゴーレムの停止が優先だと正論をぶつけることで、何とかマギを黙らせた。
そしてそのままゴーレム破壊の作戦会議へと話を進める。
作戦の内容はこうだ。
レインとルークがおとりとなって気を引いている間に、邦人がゴーレムに近づいてコアを破壊する。
きわめてシンプルな作戦だが、何しろ敵はあの巨体。
わずかな油断が命取りになる危険なミッションだ。
邦人は今まで以上の危険な戦いに、身のすくむ思いだった。
だが誰かがやらねば遠からず死傷者が出る。
下手をすれば村そのものがなくなるかもしれない。
邦人は今にも逃げ出したい恐怖を抑え、覚悟を決めた。


「火の精よ。我が声に答え、敵を穿つ礫となれ」
レインの詠唱と同時に邦人とルークが左右二手に分かれる。
「そらよ!!こっちだ」
ルークが剣を振り下ろすがゴーレムの岩肌に弾かれる。
そのままゴーレムは腕を振り払い、ルークを弾き飛ばそうする。
だが、とっさに脚を縮めて壁蹴りの要領で岩肌を蹴る事で衝撃を逃がし、地面に着地する。
「うへぇー、かてぇな。こりゃ、早まったかも」
内心後悔するような弱気になるルーク。
「ファイア・ボルト!!」
詠唱が完了したレインのファイア・ボルトが放たれる。
炎の礫がゴーレムの胸部に直撃し、コアが露出する。
(でけぇ!!けどビビるな!!)
そして、右側から邦人が自身を内心叱咤しながら、斬りかかる。
だが、ルークと同じように硬い岩肌には傷一つ付かず、岩の欠片が僅かに落ちただけ。
鬱陶しいとばかりにゴーレムは右腕を振り上げ、叩き潰そうとそのまま振り下ろす。
巨大な質量の拳が目の前に迫り、叩きつけられると同時に轟音を響かせる。
そのまま邦人はバックステップで避け、ゴーレムの拳が浮くと同時に助走をつけて跳ぶ。
大木のようなゴーレムの腕を足場代わりにして胸部にまで跳躍する邦人。
(確かこういうのはイメージして……)
己の内に流れる不可視の力を熱いと言うイメージで固め、右の掌に集中させる。
そのまま、集中させたPSYを叩きつけるかのように開いた掌を押し付けるかのように突き出す。
ゴーレムのコアに触れた確かな感触。自由落下する自分の体。両足のバネと右手で着地の衝撃を吸収。
だが、体勢が整っていない内にゴーレムが無造作に繰り出した蹴りが邦人の眼前に迫る。

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