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FANTASYC PSY
官能リレー小説 - ファンタジー系

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FANTASYC PSY 54

「こらっ、何をする!!大人しく言う事を聞け!!」
主であるマギはゴーレムに命令するが、一向に聞かない。鬱陶しいと腕を奮う。
「ちょっと待てよ!!暴走しやがったのか!!冗談じゃねぇーぞ!!」
正直、内心滂沱の涙を流しつつ、制御不能になったゴーレムから一旦離れる。メアリーと強引にマギを連れて、洋平はレインとルークに事の顛末を知らせることにした。
ゴーレム暴走の話を聞いて、レインとルークは瞬時に顔を青くした。

「なっ・・・!?ちょっ、待て!ゴーレムがぼ・・・むぐっ!?」
「バカっ!いきなり大声出すんじゃないっ!?」

あまりのショックに、口が滑りそうになったルークの口をレインがふさぐ。
一緒に旅をし、相手の機微を知り尽くした彼女だからこそ、できた対応だった。
もしうっかりゴーレムが暴走をしたことを知られれば、村中阿鼻叫喚の大パニックとなってしまうところであった。

「そ、それで?あれをどうするつもりなの?」
「さっきからマギが停止命令をしているけど、まったく効果がない。
 壊すしかない」

邦人の言葉に、レインたち2人は思わず口の端を引きつらせる。
もちろん邦人だって、自分がどれだけ無茶を言っているかは理解している。
しかし止められない以上、壊す以外に方法はない。

「か、簡単に言ってくれるわね。
 いくら私でもあんな大きな質量のものを破壊なんてできないわよ?」
「いや。マギの話だと、あれは胸にあるコアの力で動いているらしいです。
 だからそれを破壊すれば・・・」
「でもどうやってそこまで近づくんだ?
 あの大きさじゃ近づくのも一苦労だぞ?」
「・・・それは、オレがやります」
「・・・!邦人、あなたまさか・・・!」

その意味を察したメアリーは、再び顔色を変えた。
邦人はヴァイト・タートを倒したあの力――PSYを使うつもりなのだ。
それもこんな町のど真ん中で。
かつて人前で能力を使い、村を追われたあの悲しい記憶が昨日のことのように呼び起こされた。
だが邦人はその記憶を前にしてなお、能力を使うことを決意した。
それ以外に、あのゴーレムを止める術がなかったから。
しかしそれに対し、メアリーは大反対した。

「ダメよ、邦人!
 あれはこんな人前で使える力じゃないし、何より危なすぎるわ!」
「でもこれしかあれを止められないんだ。・・・わかってくれ」
「だからって・・・!」
「・・・?キミはいったいさっきから何を言っている?
 『あれ』とは何のことだ?」

なおも食い下がろうとするメアリーに、マギが疑問をぶつけた。
質問されたメアリーは、しまったとばかりに口をふさぐ。

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