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FANTASYC PSY
官能リレー小説 - ファンタジー系

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FANTASYC PSY 50

「あの時はお世話になったね」
「ルークのヤツ、昨夜キミたちの姿が見てないから、途中で何かあったんじゃないかって心配してたんだよ。
 ったく、どこの心配性の親父だよっての」
「れ、レインっ!何バカなことを言ってんだっ!」
「「あは、あははは・・・(汗)」」

くだらない漫才を始めるレインたちに、邦人たちは愛想笑いを浮かべることしかできない。
まさか昨夜は宿屋のベッドでお楽しみ中でした、なんて言えるわけがないから。
棚ボタでもらったヴァイトタートの甲羅でたっぷりと懐を潤した2人は、昨日のお礼がしたいと食事をごちそうしてくれた。

「へえ?キミたちフォルス樹海に行くのか」
「ってことはキミたち、海に行くのかい」
「はい。私、一度海ってものを見てみたくて」

メアリーのその言葉に、邦人は危うく驚きの声をあげそうになった。
新天地を探して旅に出て以来、行き先はメアリーに任せていたが、まさか彼女が海を見たことがないなんて思わなかったのだ。
しかしちょっと考えればそれも無理からぬことだ。
この世界には凶暴な巨人(オーガ)やカメの化け物(ヴァイトタート)など人を襲う危険生物が跋扈している。
そんな世界では気軽にレジャーを楽しむ、なんて風習あるわけない。
邦人が別の世界の人間だからこそ気づかない、盲点だった。
その話を聞いたとき、邦人は心の中でこう思った。

(いろいろお世話になってるし、メアリーにはいろいろ新しいものを見て楽しんでもらおう。
 この旅がメアリーにとっていい思い出になるように・・・)

ドゴーンッ!!

「!?」×4

その時、地震を思わせる揺れと音が外で鳴り響いた。
何事かと4人は酒場の客たちと一緒に外に出ると。

「なっ・・・何じゃありゃあぁぁッ!?」
「ご、ゴーレム!?」

そこには家1軒分の高さを優に超える、石の巨人が立っていた。
それを見た面々は、最初ゴーレムが村を襲いに来たのかと思った。
しかし何やらゴーレムの様子がおかしい。
確かに周囲では驚きの悲鳴が上がっているものの、ゴーレムはまったく動こうとしない。
それ以前に、あれだけの巨体の魔物が入ってきたと言うのに、ゴーレムのまわりの家屋は1軒たりとも破壊されていないのだ。
これはあまりにも奇妙な話であった。

「・・・っ、・・・はっは・・・!」

そんな中、悲鳴に混じって女性のものと思われる笑い声を邦人の耳が捉えた。
これだけの騒ぎの中、笑っていられるということは・・・。

(もしかしてあれ、誰かがゲームみたいに召喚でもしたのか?
 なんてはた迷惑な!)

そう思った邦人は、すぐにあれを片付けるよう、笑い声の発生源・・・ゴーレムの足元に向かって駆け出していた。

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