FANTASYC PSY 46
だがこの時邦人は判断を誤った。
体裁を気にするなら、すばやくここを後にすべきだったのだ。
逃げなかったこの一瞬ですでに邦人はメアリーに捕まっていた。
ムニュッ・・・♪
背中に感じるやわらかい感触とともに、邦人の身体にメアリーの手が絡みつく。
一気に跳ね上がる心臓の鼓動。
それは自分のだけではない、もう1つの鼓動も感じ取れた。
「めめめ、メアリー・・・さんっ!?」
「く、邦人・・・その、あのサイとかいう魔法を使って疲れたでしょ?
た、確か魔法って普通に休んでてもなかなか疲れが取れないって、本か何かで聞いたことがあるの」
「いいい、いやそのあの・・・!」
邦人は何か言葉をつむごうとしているが、いつになく積極的なメアリーにうまくしゃべることができない。
PSYは魔法じゃなくて超能力なので、一晩休めば回復できるとでも言いたいのだろうか。
そんな状態の邦人に、メアリーはさらに言葉を続ける。
「そ・・・それで、ね?
こ、こういうことをすると、その・・・早く回復する、らしいの・・・」
「・・・・・・っ!?」
その言葉に、邦人はとうとう言葉すら口に出すことができなかった。
つまりメアリーは。PSYを使って疲労した邦人を。
自分の身体を使って回復させてと言っているわけで。
邦人にとっては上げ膳据え膳、カモがネギと土鍋とコンロ、その他もろもろを背負って腹ペコ狼の前に出てきてくれたような話だった。
何しろモンスターがいつ出てくるかわからないこの世界、大自然に囲まれてHしようなんてできるはずもなく。
Hしたくても今までキスやペッティングとか、軽いもので済ませてきたのだ。
正直、こんなチャンスは願ってもなかった。
邦人は内心で自分に目覚めた力に心から感謝しながら、振り向いてメアリーを抱きしめた。
「あっ・・・!?邦、人?ンっ!」
驚くメアリーを無視してまずはお礼代わりのキス。
自分がどれだけメアリーとこうしたかったのかを伝えるかのように、たっぷりと時間をかける。
最初こそ驚いていたメアリーだったが、お互い好きあっているもの同士、拒む理由などあるはずがない。
すぐにメアリーも邦人を受け入れ・・・。
唇を離す頃には、すっかり彼女の顔はとろけきっていた。
キスだけで出来上がってしまったメアリーにたまらなくなった邦人は、すぐさま挿入を試みる。だが。
「あ・・・く、邦人っ。ちょ、ちょっと待って?」