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FANTASYC PSY
官能リレー小説 - ファンタジー系

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FANTASYC PSY 43

PSY使用直後の頭痛がなかったのは単に邦人が酸欠で仮死状態になっていたせいである。そして、同時に確信したことがある。
自分の使う力は拳に触れている水分子を振動させて発熱、高温にさせると言う事。
体液も水分子であるし、電子レンジそのものがその水の分子を振動させて暖めるという作用を利用している。



「それじゃ、ヴァイトタートの甲羅。私達が貰って行くわね。本当にいいのね?」
「ええ。命を助けて頂いた代金って事で別に構いませんし」
多少のトラブルがあったものの、邦人も暫く経ってから容態がよくなった。
「それじゃ、また会いましょう。縁があったらだけどね」
上機嫌のまんま、レインはルークと共に、邦人達より先にトロツ村へと向かっていく。
村の人たちに甲羅を運ぶのを手伝ってもらう為に。結局、邦人は最後までレインに己の力の正体を話さなかった。その力がようやく確信持てた故に。
「メアリー、俺……自分の力がなんなのか分かったよ」
二人が離れてからぽつりと話しだす邦人。何も言わずにメアリーは耳を傾ける。
「PSY……サイって言うんだけど、超能力の一種だよ。自分でも信じられないや。それも水の分子に働きかける奴。それで相手の水分を高熱にして殺す。生物相手なら即死の力……」
けど、邦人は己の抱える力が怖かった。
「使い方を間違えたらとんでもない事になる。だから……怖い。この力が、ヒートが」
本音が口から漏れる。体が強張る。だが、メアリーは邦人を安心させるように柔らかく抱きしめる。
「大丈夫。邦人なら、そんな事しないって信じているから。所で、ヒートって何?」
「熱いって意味だよ。現象からしてぴったりだろ」
そんなメアリーの心遣いに邦人は心底安心していた。これなら大丈夫。まだ、狂わずに済むと。
だがメアリーのほうはいろいろと複雑な心境だった。
邦人が自分のために助けに来てくれたのはうれしい。
ほれた女としてこれほど女冥利に尽きることが他にあるだろうか?
しかしその反面、自分がピンチになるたびに邦人が危険な目に遭うのは我慢できない。
何より邦人は自分の新しい力を自覚して喜んでいるようにも見えるが、その裏ではオーガを倒したときのように苦しんでいないとも限らないのだ。

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