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FANTASYC PSY
官能リレー小説 - ファンタジー系

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FANTASYC PSY 42

その上、メアリーはパニックに陥っていて冷静な対処ができなかった。
メアリー達から少し離れた場所には不気味に膨れ上がったヴァイトタートが未だにその遺骸を浮かし晒している。
「君、どうしたの!!ってあんたはこっち見んな!!」
ルークとレインが駆けつけたもののメアリーの状態を見て張り手で強引にルークの視線を逸らす。無理やり逸らされたせいであまりの痛みに悶絶するルーク。
「助けて!!邦人が息していないの!!このままだと死んじゃう!!」
「仕方が無いわね。何があったのか後で話しなさいよ!!ルーク、こいつの肺を圧迫して水を吐き出させて」
メアリーに旅服のマントを羽織らせて、ルークに指示を出す。邦人の服が濡れている事から溺れたとすぐに分かったからこその指示だ。
「ちょ、待てって!!まだ首が……」
「いいから早くしろ!!」
邦人の顔を横に向かせて、真上から両手を重ねて横隔膜を圧迫するように圧すルーク。
懸命の救助活動が続き、メアリーは悲痛な面持ちで見ていることしか出来ない。
その時間が長く感じ、暫くしてからだった。
「がはっ、げほっげほっ……」
水を吐き出し、邦人が息を取り戻した。
「邦人……よかったぁ!!」
「えっ?お、おい?メアリー?」
喜びのあまりにがばっとメアリーは邦人に抱きつく。自分の状況を邦人は把握し切れていない。
「喜んでいる所悪いけど、何があったのか話してもらうよ。特に私達の獲物だったヴァイトタートがあんな状態になっているのをね」
水を刺すようにレインの棘の入った声にメアリーは我に帰る。そして、己に身に降りかかった災難を二人で話し始めた。
初めはトロツ村に向かっている最中にヴァイトタートの住処とは知らずに休憩を兼ねて寄ったと言う事。
メアリーの身に降りかかった危険を察知し、ヴァイトタートに引きずり込まれた事。オーガに時に発現した謎の力が炸裂したと言う事。
知っている限りの事を邦人は話した。
「なるほどね……。その得体の知れない力が魔法じゃないのは確かみたいね。魔法ではあんな状態にはならないっていうのは私がよくわかっているしね。あっ、ルーク。甲羅剥がしておいてね」
納得したように頷いているレイン。ついでとばかりにルークをこき使う。
「へいへい」
適当に返事を返すルークは早速ヴァイトタートの皮膚と甲羅の境目を剣で突きたてようとした。
「ぐあっちぃーーー!!」
剣が突き刺さった途端に僅かな裂け目から蒸気が勢いよく噴出す。裂け目を広げながら。
高温の蒸気がもろ直撃したルークは溜まらずに湖へとダイブする。
(魔法とは違う?それに頭痛が無い?オーガの時はかなりきつい頭痛があったのに?)

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