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FANTASYC PSY
官能リレー小説 - ファンタジー系

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FANTASYC PSY 5

病み上がりということで、メアリーがリハビリ代わりに家事手伝いをやらせていたのだが。
これがリハビリか?と疑いたくなるくらいの重労働だった。
何しろこの世界には水道もなければ電気もない。
さらにこの世界では狩猟や農業が生活の基盤であるらしく、現代っ子の邦人は江戸時代以前の生活を送らなければならなかった。
邦人としては、朝と夜にジョギングなどのトレーニングをしてるし、登山などが趣味だったから体力にはちょっとした自信があった。
しかしそれはこの世界では通用しないということを否応なしに味あわされた。
薪を割ろうにもうまく1発で割ることができない。
水汲みも数往復しただけで息が切れる。
農作業をさせれば作業はいつもダントツのビリ。
家畜の世話では追い立てるつもりが逆に追い立てられる始末。
邦人は自分がいかに恵まれていた世界にいたのかを実感しつつ、メアリーたちの冷たい視線に耐えなくてはならなかった。
そしてケガの回復からさらに半月後。
邦人は再びベッドの上で横になっていた。

「・・・はぁ。だらしないわね。あの程度の仕事で動けなくなるなんて」
「・・・申し開きもありません」
体力不足と筋肉痛で動けなくなった邦人は、穴があったら入りたい気持ちでそう答えた。

「そんなに貧弱でよく今まで生きてこられたわね。
 ホント、知らなかったとは言え、旅に行かせなくてよかったわ。
 行ったら1日経たず何かの餌食になってたわよ?」
「・・・すみません、一応病人なんで、もう少し優しくしていただけないでしょうか」
「何言ってるの。単に虚弱体質の筋肉痛でしょ。これでも目いっぱい優しくしてるわよ。
 お水持ってきたわよ。動ける?」

プライドをこれ以上ないほど傷つけられ、ボロボロになった邦人の要求を軽く却下しながら、メアリーは水を持ってきてくれた。
邦人は上半身を起こそうとする。が。

ビキイッ!

「〜〜〜ッ!?」
「ああもう、病人がムチャしないの。ほら手伝ってあげる」

動けなくなった邦人を介抱しながら、メアリーは邦人が水を飲む手伝いをしてくれた。
寝たきり老人状態の邦人は、メアリーに深く感謝をする。

「ゴメン、メアリー。オレ、ホントに役立たずで」
「自覚ができれば上等よ。治ったら早くみんなの役に立てるように、がんばりなさい」




さて、邦人が家事手伝いで疲労困憊になっている間にも二人の間にはそれぞれの情報交換もしっかりとされていたりする。時間は一旦、邦人が働き始める前日にまで戻る。

痛みも引いて、立ち上がれるまでに回復した邦人が始めにやった事は自分の荷物の確認だ。部屋においてある椅子に腰を掛けながら、メアリーは珍しそうに邦人がリュックから取り出す物を見ている。

背負っていた登山用リュックの中身にはタオル、十特ナイフ、魔法瓶、冷えピタ、携帯電話、財布、消毒液、包帯、絆創膏、湿布が入っていた。

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