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FANTASYC PSY
官能リレー小説 - ファンタジー系

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FANTASYC PSY 4

魔法が日常的に使われている世界なら、すぐに帰る手段も見つかるだろうと考えていたのだ。
しかし返ってきたのは予想外の答え。

「元の世界に戻るって・・・王都とか、そういうところへ行って帰る手段を探すこと?」
「んー、そうなる・・・かな?でもすぐ行けるんでしょ?」
「武器も何もなく?そんな軽装備で?薬も食料もお金もなく?
 ここから王都へはかなり距離があるわよ?」
「え?え?こういうときって、君がオレを助けてくれるってのがパターンじゃないの?」。
「あのね・・・。悪いけど、ウチはそんなに裕福じゃないの。
 そこまであなたのリクエストに答えられる余裕はとてもじゃないけどないわ」

邦人の言葉にメアリーは、あからさまに冷たい視線で突っ込んだ。
いきなり出鼻をくじかれる邦人。
突然ファンタジーな世界に放り込まれ、頭がゲーム脳になったことを心底恥じながら、邦人は途方にくれた。

「ま、まいったな・・・。これからどうしよう・・・?」
「・・・それならお仕事紹介してあげましょうか?
 旅費や武器なんかは用意できないけど、それくらいなら何とかするわよ?」
「え?いいの!?」
「いいわよ、どうせこの家も私1人しか住んでなくてさみしかったし・・・。
 あなたもイセカイとかから来てここのことよく知らないんでしょう?
 しばらくここで働きながらいろいろ勉強していきなさい」

遠回しにここに住みなさいといわれていると気づいた邦人はメアリーの手をつかんで感謝の意を伝えた。
「あっ・・・ありがとう!!助かる!」
「お礼なんていいのよ。とりあえず今日のところはゆっくりしてなさい。
 ケガを治ってから、たっぷり働いてもらうから」

こうして邦人は突然異世界に迷い込み、元の世界に戻る手段を探すための旅費を稼ぐこととなった。
現代人である邦人は、無事この世界で生きていけるのか?
それはこの時、誰も予測すらしていないことだった。

――――

それから邦人の異世界生活が始まった。
まずはメアリー看護の元、ケガを治療する。
患部に薬草を貼り付け、包帯を巻き、後はベッドで横になる。
食事はパンとスープという粗末なものだったが、しっかり食べて休んでいたおかげでケガは半月くらいでほぼ完治した。
しかし問題はケガが治ってからだった。

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