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FANTASYC PSY
官能リレー小説 - ファンタジー系

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FANTASYC PSY 38

身体が水の冷たさで引き締まっていく感覚に心地よさを感じながら、腰まで浸かったメアリーはその手に水をすくい取る。
そしてその水でメアリーは旅で汚れた身体を磨き、清めていく。
その姿は光で反射してより美しく、芸術的かつ幻想的な雰囲気をかもし出した。
メアリーたちから遥か遠くに離れた河底に何かが首をもたげ上げる。
メアリーから発せられる僅かな電流を感じ取り、己のテリトリーに入ってきた獲物に気づかれる事無く、河底を蹴って水の流れるままに浮かぶ。
そのまま前足と後ろ足の指の間に張った僅かな皮膜が水を捕らえ、黒い影の体を蹴り押し出す。
口元の鱗と皮膚が変化した鋭い牙、頑丈な甲羅、未だに見えない獲物を捕らえる鋭い目と感覚器官。
それはヴァイト・タートと呼ばれる雑食性の大人しいモンスターのはずだった。それもレイク種と呼ばれる型だ。
ここ最近はこのヴァイト・タートによって近くの村々が困っていた。というのも己のテリトリーに入ってきた動物を強襲して食ってしまうから。
無論、人間とて例外ではない。毎朝、水を汲みに行くのにも命がけと成りうる。
もちろん、邦人達が目指しているトロツ村もその被害を受けていた。
傭兵ギルドに退治依頼を出してもなかなか受けてくれる傭兵が居ない。
硬い甲羅は剣も刃も通さず、レイク種となると火や水の魔法の耐性も備わっている。
倒す事が出来ればレア度が高い甲羅を売って相当な額で取引してもらえるが、危険度も非情に高い。
だから、誰もレイク・ヴァイト・タートに手を出し辛いのだ。
水流と自身の蹴りで勢いを付けてヴァイト・タートは強襲すべく、急速にメアリーに近づいていく。深く、静かに、気づかれる事無く。

その頃、邦人はメアリーとは違う場所でのんきに弁当を食べていた。
暖かな日差しの中、穏やかな時間が流れると共に眠気が誘われる。
美味い弁当に日差し、満腹感で眠気というのはお決まりのパターンだ。

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