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FANTASYC PSY
官能リレー小説 - ファンタジー系

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FANTASYC PSY 34


あまりの快感にメアリーは思わず拒絶の声を上げる。
しかし言葉とは裏腹に、邦人の背中に回された力はどんどん強くなっていく。
言葉では拒絶しつつも、心では邦人を求めるメアリー。
いけないいけないと思いつつも、メアリーを自分のものにしようと腰を動かす邦人。
心と身体、理性と本能。相反するもの同士が反発しあいながらも、同じものを求めて1つとなっていく。
―――目の前の相手と1つになりたい、と。
ちぐはぐな心と身体が1つとなったとき、メアリーと邦人はほぼ同時に絶頂に達した。

「うッ!?」
「ああッ!?」

その瞬間、2人はお互いの心が1つになったような、そんな感覚を覚えた。
それは性交の快感が見せた、幻だったのかもしれない。
ただ1つ確かなこと。それはこのとき、2人の思いは1つになっていたことだけだった―――。

外から聞こえてきた小鳥達の囀りが目覚まし時計代わりに耳に入り、目を2、3回瞬かせてメアリーは目を覚ました。
いつの間にか疲れて寝てしまっていたのだろうと思い、いつものように体を起こそうとして足を動かした途端に股間に痛みが走った。
「つぅ……」
布団の中を見てみると生まれたままの己の姿とシーツに僅か付着した血痕。思い出されるのは昨夜の出来事。
荒々しい愛の無い、欲情赴くままに犯そうとする変貌した邦人だが、途中で正気に戻って気持ちよくしようと頑張ってくれてくれた。
だが悲しさよりも結ばれたという喜びの方が遥かに大きく、心の満たされたメアリーは嬉しかった。
が、朝起きて改めて思い出すと気恥ずかしくなってきたのか顔を真赤に染める。
邦人……初めは見慣れない旅の人で見捨てておけずに助けた異世界からきた同い年の男。
正直、気が狂っているのかと思ったが、見たことも無い道具の数々を見せられては信じざる得なかった。
特に携帯電話とか言うのを見せられた時は唖然とした。工業学が発達しているケンブレア合衆国でも見れない、もしかしたら再現不可能な技術の塊。
けど、頼りなくて危なっかしいて弟みたいに感じていた。でも、気が付いたら目で追っていた。
邦人が日々、成長する度に頼りない弟のような存在から一人の男として意識するようになって、いつしか……心に小波が揺らめいていた。

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