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FANTASYC PSY
官能リレー小説 - ファンタジー系

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FANTASYC PSY 3

「あー、分かりやすく言うと俺は違う世界の人間って事だよ。一応聞くけど、ここって何処?」

「えっと、ここはスワロー共和国 トリア村の私の家ですけど」

「少なくとも、俺はトリア村って名前聞いた事ないし、スワロー共和国なんて名前は聞いた事無いんだよ」

日本から海外、それも聞いた事無い国へ……崖から転がり落ちただけで移動できるなんて非常識すぎる。

どう考えてもこれは異世界へ来てしまったって事以外無い。邦人もファンタジー小説でよくある現象を体験するとは正直、思ってもみなかった。

「とりあえず、お互い分からないことばかりだし……そっちの世界のこと聞かせてくれないか?こっちの世界に関することは分かるとこだけ言うから」

「そうですね。その前に体の方はどうです?」

「所々痛みが走るけど、おおむね大丈夫だよ」

「そうですか。あまり無茶はしないように。ここに居る間は、自分の家と思って寛いでね。それと食事も持ってきたけど、食べれる?」

「それくらいなら自力で。あまり迷惑もかけられないし」
「怪我人だから迷惑かけてしまうのは当たり前よ」

そう言って、メアリーは構わないとばかりに、持ってきた食事をテーブルに置く。

トレイに乗ったスープの入ったコレールとスプーン。皿に乗った数枚のパン。食器全てが木製だ。

三日ぶりの食事にありつけた邦人は勢いよく食べ物を口の中に放り込み、平らげていった。
「ふぃ〜、食った食った。メアリー、君って料理上手なんだね」

膨れた腹を撫で擦りながら、メアリーの料理の美味さを褒める。褒められたメアリーもまんざらでは無さそうだ。
「そう言ってくれると嬉しいわ。それに邦人は食べっぷりを見てると作った甲斐があったわ」
飽食の世界である日本にいた頃に比べれば、全然粗末な食事であったが、飢えに飢え、弱った身体にメアリーの優しさはとても素晴らしい調味料となって邦人の心と身体を温めてくれた。
しかしいつまでも彼女の優しさを感じている場合ではない。
それを教えるかのようなタイミングでメアリーが邦人に訊ねてきた。

「ねえ邦人。それであなた、これから一体どうするつもりなの?」
「これから・・・か。とりあえずは元の世界に戻る方法を探すとするよ」

この時、邦人はこの世界を剣と魔法が主体のファンタジー世界だと思っていた。

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