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FANTASYC PSY
官能リレー小説 - ファンタジー系

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FANTASYC PSY 22

そのままオーガが踏み付けようと足を上げる。とっさに転がり離れる邦人。だが、オーガの様子がおかしかった。眼を剥いて、全身をがくがく痙攣させ、鼻から血が出てきた。
加えて、全身の血管が浮き出てから……異常だった。突然、内側から破裂するように肉片や臓物を散らしながら骨を残して弾けた。
護衛の村人も救出に来た狩猟組みも……邦人自身も唖然となった。湯気立つオーガの血液。ツンとした血の蒸気が鼻に突く。
「な……なんだよ、これ。いきなり、何が……何がどうなってんだよ」
目の前の光景が信じられずに唖然と邦人が呟く。だが、そんな事を呆然としている暇すら与えずに邦人に激しい頭痛が襲った。
「がっ、あああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!痛い、痛い痛い痛い痛い!!!頭がぁ、頭の中がぁぁぁ!!!」
直接脳みそをかき回されるような激痛で地面に蹲り、のた打ち回る邦人。邦人自身は知らなかったが、それは反動だった。
人の脳は30%しか使われておらず、無意識のうちに制限されている。それがもし、使われていない領域を使ったとしたら?
その領域を使った未知の能力があったとしたら?それが邦人の現状であり、彼がオーガに対して行使した力だった。
その力はPSY。超能力と呼ばれるもの。邦人が目覚めたのはヒート。念動力による液体沸騰。それがオーガを撃破した正体だ。
今、邦人は異端と異常を兼ね備えたPSYという力を手に入れたのだ。
しかし突然の能力の開眼は、邦人に限界以上の出力を出させてしまったようだ。
過負荷による反動は邦人にとてつもない激痛となって邦人をさいなみ続ける。
爆裂四散したオーガの死体・・・正確にはその下半身は、なおもその能力の激しさを物語っていた。
血液はボコボコと沸騰し、その熱で肉や肉の一部は煮えすぎて炭化を始めている。
『焼けた』でのはなく『煮えて』炭化しているその異常さに、周囲の村人たちは底知れない恐怖を感じた。

「邦人ッ!?どうしたの!?大丈夫!?」

あまりの異常な光景にみなが動けない中、メアリーだけが激しい頭痛に悶える邦人を介抱する。
しかし薬もない状態では何もできない。
結局邦人は少しでも痛みを和らげようと抱きしめるメアリーの胸の中で気を失うこととなった。

――――

「・・・・・・ん・・・ぁ・・・?」

次に目覚めたとき、邦人はベッドの上にいた。
横を見ればメアリーがベッドに寄りかかるように眠っている。

「・・・?いちッ!?」

邦人はなぜ自分がこんなところにいるのかと記憶を探ろうとするが、その瞬間激しい頭痛がして悲鳴を上げた。

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