FANTASYC PSY 19
「話ならとっくに済んでるわ。私は彼を追い出すつもりはない。
そしてあなたが口を出す権利もない。
わかったらさっさとその手を離して」
「・・・ッ、て、テメエ・・・!
お、オレはお前のことを思って言ってやってんのに・・・!」
「そういうのを余計なお世話って言うのよ。
だいたいその思ってやっているってあたりが上から目線だってことにまだ気づかないの?
それとも何?これだけ言って、ホレた女に振り向いてもらえない理由がまだわからないっていうの?
いいかげん、あきらめなさいよ、この勘違い野郎っ!」
「こ、このッ・・・クソ女ぁッ!?」
幼い頃からほれていた女にけなされ、逆上したグラは勢いに任せてメアリーを押し倒す。
不意を突かれたメアリーは、持っていたかごから収穫物を撒き散らしながら地面に倒れた。
メアリーの視界が血走った目をしたグラで覆われる。
「へ・・・へへッ、どうだ、所詮はテメエも女なんだ。
オレがちょっと本気を出せばこのざまなんだよッ!?」
「・・・ふ、ふん。口でダメだから今度は力づくってわけ?
つくづく最低なのね、アンタって」
グラの迫力に押されながらもメアリーは侮蔑の言葉を吐く。
こんな男の言いなりになんかなりたくない。
彼女のプライドと意地だけがメアリーに虚勢を張らせていた。
「うるせえッ!下手に出てりゃあつけあがりやがって・・・!
だったらお望みどおり、力づくでテメエをモノにしてみせらぁっ!!」
ビリビリビリ・・・ッ!
狂気に走ったグラは、メアリーの服の襟に手をかけると、力任せに下に引っ張った。
まだ半人前とは言え、鍛え上げられたその力はメアリーの服をいともたやすく引きちぎった。
犯される。服を破かれたことで心が恐怖一色に染め上がり、虚勢を張っていたメアリーをただの無力な少女へと引き戻す。
「・・・ッ!!い、イヤアアァァ〜〜〜ッ!!??」
そして彼女の悲鳴が静かな森の中で声高らかに響いていった。
そう、不気味なくらい静まり返った森の奥へ・・・。
グラが露になったメアリーの柔肌に手を伸ばそうとした時、影が覆った。急に薄暗くなったのをいぶかしげに振り返ったグラが見たのは体高5mもあろうかという巨人。その手には木を削っただけの棍棒。それをグラに容赦なく、無慈悲に振り払った。眼前に迫る棍棒を最後の光景にグラが叩き飛ばされた。
「お、お、おんなぁぁぁ〜〜〜」
グラに強姦されるよりも最悪の事態。出発する前にダラスから言われていたオーガがとうとう姿を現したのだ。