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FANTASYC PSY
官能リレー小説 - ファンタジー系

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FANTASYC PSY 18


収穫組から少し離れた森の中、最初に口火を切ったのはメアリーであった。
普段の彼女なら高慢な彼の言葉など歯牙にもかけないところだが、いつもと違う真剣な雰囲気に不承不承ながらここまでやってきたのである。

「・・・おまえ、最近あの役立たずと付き合い悪いみたいだな?」
「・・・っ。そ、それがどうしたって言うの?あなたには関係のない話でしょう?」
「ああ。確かにオレには関係ねえ。
 オレにとって重要なのは、おまえがアイツともめてるってことさ。
 ・・・メアリー。いいかげんにあの男を家から追い出せ。
 あんな役立たず、家に置いても無駄飯ばかり食われるだけだぞ?」

今の邦人との関係を指摘され、不覚にも動揺したメアリーだったが・・・。
話の内容がいつもの内容だったとわかり、呆れとともに彼女は平静さを取り戻した。
グラが邦人を村から追い出そうとしているのはずっと前からのことだった。
ことあるごとに彼は邦人のことを悪し様にののしり。
彼を家から、村から追い出せと何度もメアリーに説得していた。
実力がありながらその性格から敵が多いグラだが、邦人に対する嫌悪感は正直言って異常だった。

「呆れたわね。そんな話をするためにあんな芝居を打ったの?」
「違う。オレはおまえが嫌な思いをしてまでアイツに家を提供してやることはねえって言ってるんだ。
 おまえ、最近アイツを避けているんだろ?なんでそんなヤツをまだ家に置いてんだよ?
 さっさと放り出しちまえば済むことじゃねえか?
 だいたいこの辺境の村に、居候1人養うのがどれほど大変か、おまえが1番よくわかっているはずだろ
!?」

グラの話を聞いているうちに、メアリーの心が急速に冷えていく。
もうこれ以上この男の話を聞きたくない。
そう思ったメアリーは、なおも説得を試みるグラを無視し、みんなの元に帰ろうとした。
普段ならここでグラがあきらめ、話は終わりとなるはずだった。
しかしこの日は違った。事を荒立てずに邦人を追い出せる千載一遇の機会に、グラはメアリーを手をつかんで引き止めた。

「待てよ!まだ話は終わっちゃいねえぞ!?」

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