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FANTASYC PSY
官能リレー小説 - ファンタジー系

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FANTASYC PSY 17


(そう言えばこの村で仕事をこなせたとき、メアリーも自分のことのように喜んでくれたっけ・・・)

そう思い、邦人は何気なくメアリーに目を向ける。
するとたまたまこちらを見ていた彼女とバッチリ視線が合い・・・。
メアリーは慌てて目をそらして邦人の視界から消えてしまう。
収穫が始まってから始終この調子である。
邦人としてはいいかげん許すなり訳を話すなりしてほしいのだが、レイプ未遂をした手前、こちらから動くことはできない。
邦人はそのたびに自己嫌悪に陥り、あのときの自分をぶん殴ってやりたくなるのだった。
「おお?ついに自分をかばってくれてたメアリーにも愛想を尽かされちまったか?」

その時、背後から聞き覚えのある声が聞こえてきた。グラだ。
嫌なときには嫌なことが重なるものだと邦人はいささかうんざりしながら口を開く。

「・・・うるせえ。おまえには関係ねえだろ」
「あるさ。今日の今までさんざんお荷物だったおまえを村から追い出すチャンスなんだ。
 こんな機会を逃す手はねえだろ?」
「・・・おまえ、オレに何か恨みでもあんのか?」
「恨み?んなもん、役立たずで無駄飯食らいのおまえがこの村にいるってだけで十分だろ。
 この際だから言ってやる。オレはな、おまえみたいな1人じゃ何にもできねえ役立たずは嫌いなんだよっ!」

その言葉に邦人もさすがにカチンときたが、それはどうしようもない事実であったし、何よりグラの挑発に乗ったらそれこそどうなるかわからないので、ぐっとこぶしを握って耐えることにした。
するとグラは何か勘違いしたのか、
「・・・はっ。少しは自覚があるみたいだな。
 安心しろ、おまえみたいな甘ったれなんてすぐ追い出すようにメアリーに言っておいてやるよ!」

と言い残し、メアリーの下へ去っていってしまった。

「ったく、何考えてんだアイツ。メアリーが俺を追い出すつもりなら、当の昔に追い出されているっての」

残された邦人は、メアリーを追っていったグラの背中を見ていたが……。
なんとなく不安に駆られ、邦人はグラの後を追いかけていった。
追い出されても仕方がない。
でもちゃんと謝ることもできずに別れることの方が、邦人は怖かった。
しかし邦人はグラに対して2つ見誤っていた。
彼はただの傲慢なだけのバカではない。傲慢になるだけの実力を持ち合わせている。
そして。グラの邦人に対する嫌悪感の強さが並々ならぬものであることを、邦人は見誤っていた。
1つ目のミスに気づいたときには、邦人はメアリーとグラを見失ってしまっていた。
彼らは邦人のことで話をするために、グループから離れた森の奥に入っていたのだ。
群れから離れて行動することがどれだけ危険かと言うことも考えずに。

「・・・何?邦人のことで話したいことって・・・」

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