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FANTASYC PSY
官能リレー小説 - ファンタジー系

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FANTASYC PSY 14


全身の血の気が引いていくのを感じながら、邦人はあわててメアリーから飛びのいた。
突然の暴挙からの解放に、メアリーは恐ろしいものを見るかのようにその身を起こして邦人を見つめる。
自業自得とは言え、その視線はとてつもなく冷たく痛くて。
邦人はその場で土下座して許しを乞うた。

「わ・・・悪い、メアリーっ!謝って済む問題じゃねえけど・・・その、ホントにすまねえっ!」

謝って済む問題じゃないと知りつつも、謝る以外の手段が思いつかない邦人は、土下座という自分にとってもっとも屈辱的な姿勢をとることで少しでも謝罪の意思を表そうとした。
もちろん多少のビンタやパンチ、キックを受ける覚悟だってある。
・・・が。いつまで経っても罵倒や攻撃がやってこない。
不気味な沈黙に耐え切れなくなった邦人は恐る恐る顔を上げると・・・。

「・・・・・・・・・っ、」

涙をポロポロこぼしながら震えるメアリーの姿が、そこにはあった。
それを見た邦人はとっさにメアリーの元に駆け寄ろうとして・・・やめた。
自分で襲っておいて被害者を励まそうなど、怖いもの知らずもはなはだしい。
世間知らずを通り越してただのバカだ。
どちらも動くことができず、再び重い沈黙がその場を包む。
2度目の沈黙を破ったのはメアリーだった。

「・・・ゴメン、邦人。私、もう寝るね?」
「え?ちょっ・・・!?」

彼女はそれだけ言うと、邦人の言葉を無視して自室へと姿を消した。
残された邦人は呆然とつぶやく。

「・・・なんでメアリーが謝るんだよ・・・。悪いのはオレだぜ・・・?」

しかしその問いに答えてくれるものは誰もいない。
ゆがみの生じた2人の関係。この日より2人は妙にギクシャクした関係となる。
あれほど怖い目にあったというのに、メアリーは邦人を家から追い出そうとはしなかった。
だがやはりショックだったのか、何かしら理由をつけて邦人から距離をとるようになった。
未遂とはいえ事実だけに邦人は罪悪感を覚えながら、それでも償おうと家事に修行によりいっそう打ち込んだ。
しかしお互い何の進展もないまま1週間が過ぎた。

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