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FANTASYC PSY
官能リレー小説 - ファンタジー系

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FANTASYC PSY 13

震えを押さえるように両腕で自分を抱きしめ、あふれる感情をとどめようとするかのようにうなる邦人。
怖い。悲しい。見るな。恐ろしい。許して。殺した。
いろんな感情と思いが一斉に吹き出し、今にも爆発しそうだ。
しかし何も知らないメアリーは、触れてはいけない今の邦人を助けようとしてしまった。

「邦人っ!?大丈夫!?しっかりして!!ねえっ!?」
「う・・・ぐ・・・!!ぐああぁあぁッ!?」
「きゃああぁっ!?」

恐怖と罪悪感から逃げ出したい邦人は、意味不明の雄叫びを上げながらメアリーを力任せに押し倒す。
冷たい木製の床に押し倒されたメアリー。
そしてまな板の魚と化したメアリーにのしかかる邦人。
2人っきりの部屋で、邦人の荒い呼吸だけが響いていた。

「ふーっ・・・!ふーっ・・・!」
「ひっ・・・!?」

獣のような荒い吐息。元の世界に戻ることを夢見て日々努力してきたあの青年とは、とても同一人物とは思えない。
突然の暴挙に状況をつかめなかったメアリーだったが、獣のような形相をした邦人を前に、メアリーは急に恐怖がこみ上げてきた。

「い・・・いやっ!?いやあっ!!は、放してっ!?放してぇッ!?」

必死になって暴れるメアリー。
しかし所詮女の膂力で、しかも押し倒された状態からでは思うように力が入らず、脱出すらままならない。
だがメアリーは抵抗する。目の前の不条理に飲み込まれまいと、ただ必死に。
邦人はそれを呆然と見ていた。目に涙を浮かべて抵抗するメアリーの姿を。

(あ・・・れ?メアリーが・・・泣いてる。何で泣いてんだ?)

ぼんやりとした頭に浮かんだ小さな疑問。
どうやらビッグボアを殺したショックで、状況を把握しきれていないようだ。

(そういや・・・何でオレ、メアリーを押し倒してるんだ?
 ・・・あれ?オレは狩りから帰ってきたはずじゃ・・・?)

芽生えた小さな疑問は更なる疑問を次々と浮かび上がらせ、邦人を混乱させる。
なぜ自分は恩人を押し倒している。なぜ自分はメアリーを泣かせている。なぜ自分は・・・?
少しずつ増えていく疑問が頭の中いっぱいになったとき。
邦人はようやく自分がとんでもないことをしていたことを理解した。

「・・・ッ!?わ、悪いッ!お、オレ、とんでもないことをっ!?」

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