モンスターハーレム 第2章 305
「そうだぞ〜?
おまえらはオレにこうやって頭をなでられるのが大好きで、なでられると気持ちよくてトロトロになっちゃうはずだぞ〜?
だっておまえら、オレのことが大好きなんだから〜」
するとオレのささやきに、2人の頬に赤みがさした。
「う、ん・・・そう。私・・・ラグのこと、好き・・・」
「気持ちいい・・・。こうしてなでられるの気持ちいい・・・。
もっと・・・もっとなでてほしい・・・」
第一段階成功。
2人はわずかに艶を帯びた声で、ホントに気持ちよさそうな様子で頭を差し出す。
その様子はまるで主人になつく、小動物のようだ。
オレは不覚にも教育の成功にではない、違う喜びに浸ってしまうのであった。
それからオレは第2段階にして本来の目的、『2人にケンカをさせないようにする』に移行するまで少々時間を食うことになる。
素直にオレの言うことを聞く2人に、オレはついつい夢中になってしまったのだ。
しかも止めるものがいないから、その行動には歯止めが利かない。
「にゃあん・・・ご主人様ぁ・・・♪」
「わふん・・・気持ちいい・・・ご主人様の言うこと聞くの、気持ちいい・・・♪」
気がつけば2人はオレの言うことを何でも聞く、かわいい子猫と子犬になっていた。
ちょっとやりすぎた感もあるが、とりあえず結果オーライということで話を進めよう。
オレは2人の頭をなでながら、いよいよ本題の第2段階に取り掛かるのであった。
「よーしよし。2人ともいいコだな〜。
これからもずっとオレにかわいがってほしいか〜?」
「うんっ・・・うんっ・・・!かわいがって・・・!
狭霧のこと、これからもずうっとかわいがってぇっ・・・!」
「ソウルもぉっ・・・ソウルもご主人様と一緒にいたいのぉ・・・!」
すっかりペット状態が板についた2人は、普段なら絶対に見せないような甘えた口調で返事をする。
この様子なら、もう大丈夫だな。
オレは優しい口調を少し変えて2人に語りかける。
「ならおまえたち。これからは仲間同士でケンカしたらダメだぞ?
仲間同士でケンカするような悪いコなんて、オレ大っ嫌いだからな」
「「・・・!」」
大嫌いの一言にとろけきった2人の顔色が変わった。
親に甘える子供のような表情から、ようやく親に再会できた迷子のような表情に。