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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 33

「姫様、骨はスケルトンです。ゾンビは動く死体ですよ」
アンナにつっこみを入れられるファニー。
「分かっているわよ、ちょっと間違えただけじゃない」
「ちょとか、それとスケルトンはいくら倒しても直ぐ再生するぞ、弱点は腰骨だ、そこを破壊すれば再生できなくなる」
「ぐっ・・・それも知ってるわよ、そんなの常識よ」
本当にそうかね・・・
と言いたげなふうにニタニタ笑うライズ。
それを見てさらに血圧を上げるファニー。
「ライズ様、これ以上姫様を挑発しないでください。アンデットに関してはわたしに任せてください、ターンアンデットで一掃します」
「ターンアンデットが使えるのはありがたいな、けどどれぐらいの数がいるか分からんから多用はできない、戦闘はできるだけ避け、まずは獣人の村まで行くのが基本方針だな」
ライズの消極策に大いに不満があったが、しかしここは我慢だと思い黙ったままにした。
(ここは我慢よファニー、明日になったら目に物見せてやるわよ)

翌日、早朝の朝靄の中を女将さんと娘のメルシーに見送られて出発した。

山道は険しく、さらに魔物に警戒して慎重に進んだ為、道程は困難なものになった。
獣人の村という中間地点があるおかげで荷物が幾分軽いのが、せめてもの救いだった。
「ひゃっ!」
「っと、セーフ」
足下への注意を怠ったファニーが転びそうになり、すんでの所でライズが受け止めた。
「姫さん、疲れたか?」
「そ、そんな事ない」
「そっか、疲れたら言ってくれよ。先は長いし」
「う、うん」
先程からこんなやり取りが何度もあった。
流石のライズも山歩きでは慎重になり、少しもふざけたりしない。ファニーとしては悔しい事だが、真面目な彼は少し格好良いと思った。
しかしそう思った瞬間、お尻から妙な感触が伝わってきました。
モミモミモミモミ
「いやあ、姫さんは胸は薄いけどお尻は良いね、きっと丈夫な赤ちゃんが産めるよ」
「この変態ッ」
どさくさに紛れてお尻を触るライズに殴りかかるもあっさりかわされる。
「ハハハ、ちょっとしたスキンシップだよ姫さん。そんなに腕を振り回すとまた転ぶよ」
「よけいなお世話よ、と、とととっ」
またもや転びかかり、今度は抱きつく形になった。
「おやおや意外と大胆だね、ひょっとして僕に気があるのかな」
この男は・・・
なおも暴れようとするファニーにを、ライズはぎゅっと抱きしめた。
「ちょ、ちょっと何する気よあんた」
「静かに、どうやら迎えが来たらしい」
ファニーが辺りを見渡すと、周りはすっかり獣人達に取り囲まれていた。
獣人の数は10人ほど。ファニーたちを警戒する目で見ていた。
「旅の方かな?」
その中の年嵩の獣人が問うた。
「ええ。村に案内してください。」
「我が村へいかなる用件か?」
「実は病人があり、ボッキ茸が必要なのです。今の季節は山頂にのみあると聞き、こうして参りました。」

「確かに今の季節は山頂のみ。だが山々に魔物が跳梁跋扈する昨今ゆえこのような時に来るなど、俄かには信じられぬ。お主たちは・・・。」
「これをご覧ください。」
アンナが女将の紹介状を差し出した。
「む?」
受け取った獣人が紹介状を読み出した。
「・・・・・・・。」
ファニーたちを取り巻く空気、彼女たち自身が発する空気がますます緊迫する。
「わかった。そういうことなら間違いあるまい。案内いたそう。」
「ありがとうございます。」

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