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おてんば姫、ファニーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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おてんば姫、ファニーの冒険 2

城を出て2時間後・・・。
「姫様!お待ちを!」
「げっ!この声は・・・。」
ファニー達が振り向くと、ローブ姿の青年がいた。
「やっぱりティーエだ・・・。」
濃紺のローブに身を包み魔導師の印の杖を持ったハンサムな青年、それはボンバルティーエ・グランドリオン、通称ティーエだった。
ティーエは厳しい表情で言う。
「姫様!なぜたったお二人で旅などなされますか!無謀もいいところですぞ!」
「あちゃ・・・・。やっぱり・・・ねぇティーエ、見逃してくれない?」
「お願いします・・・」
涙目ですがるファニー達だが、ティーエは厳しい表情を崩さない。
「とんでもない!私もお供いたします!」
『え?!』
ファニーとアンナは信じがたいものを見たという顔で顔を見合わせた。
「ど・・・どういうこと?」
「申したままの意味です。姫様の婚前最後の羽目外し、何か有っては取り返しが付きません。私も同道いたします。」
「アンナ、どうしよう・・。」
「私に申されましても・・・。」
ティーエは誰に対しても恐れず諌めるその頑健な性根で、ファニーも彼にだけは頭が上がらなかったのだ。
「連れ戻しにきたわけじゃ・・・ないよね?」
「フフ、そのつもりならとうの昔に魔法で捕らえております。私の腕前はご存知のはずですが?」
「そうよね・・・・。」
「わかったわ、あなたを旅の仲間に加えます」
「ありがとうございます、姫の仲間に加えてもらえるとは、何ともはや光栄ですな」
「そんなこと言って、もし断ったら魔法でわたしを捕らえる気だったでしょ」
「まあそうなんですが、とにかくよろしくお願いします」
こうして、ティーエが仲間に加わった。

正直言ってティーエの加入は嬉しかった。
ティーエは若いが魔法の腕はかなりのもので、8年前のトゥルーズの戦いにも参加している。
ティーエ自身は、姫が何度せがんでも戦いの武勇談を語らなかったが、一緒に同行していた騎士達の話によると、大活躍をしたらしい。

こうして旅の仲間は3人になった。
夕暮れ近くになると、3人は最初の目的地、エルスの街に着いた。
しかし、街はオークの軍団の襲撃を受けていた。
ファニー達は、街の人たちと一緒に戦った。
30分後、なんとかオーク達を撃退した。
ファニーはひどく消耗していた。
稽古なら何時間でも剣を振るえるのに、実戦では30分戦っただけで、足腰が立たなくなった。
辺りは煙と血臭でむせ返り、ファニーは吐きそうになった。
「姫様、冒険の旅は楽しいばかりでなく、このような血生臭い戦いにも直面します。今なら引き返す事も可能ですよ」
ティーエが諭すように言った。

しかしファニーは、「確かに、こんな事も旅の間は、あたり前でしょう。
しかし、城を出なければ、民の苦労はみる事はない。
さらに、民と、共に行動することは、城に入ったら、二度と無いだろう。
私は、短い間でも、この国の民の本当の姿を、見て行きたい。」
と言った。

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