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blood&witch
官能リレー小説 - ファンタジー系

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blood&witch 86

「ぬぬっ」
「むぅ…」
二人して唸った。結構良いコンビなのかもしれない。 
「こうでもしないと泊めてくれないってさ。なぁ?」
いきなり話をふられても、プロの従業員はニッコリとして頷いた。早くロビーからいなくなって欲しい一心からである。 
「仕方ありませんわ」
「それは、私の台詞だ。なぜこやつなんかと」
そうぼやきつつ、フェイクから鍵をひったくった二人は階段を登っていった。 
「……今、気付いたんですが……」
二人がいなくなったロビーでフルルが呟いた。 
「この部屋割りって、アタシ大変じゃありません?」
だが、フェイクとステイはそっぽを向く。 
「ちょっとぉ!?」
「言い出しっぺが責任持たないとな」
「頑張れ!」
「頑張れって。お父さん、親でしょ。助けて!」
「フルル。東国にはこういう言い伝えがあるらしい。獅子は千尋の谷に我が子を落として、そこから這い上がってきた子だけを育てるらしい。父は今日、獅子となる。恨むな」
かっこいい事を言って、ステイは逃げた。
「そんなぁ……」
自分の言動には責任を持たなければいけない。でないと、何がどうなるかわからないのがこの世の中だ。
その事を知って、フルルは一つ大人になった。 

─こちら男部屋─
「…ったく、なんで俺ばっかりこんなに災難がやってくるんだか…」
部屋に入るなりフェイクがボやく。
確かにこんなセリフをナリナとビーザスの前で吐いたら、また双方がお前のせいだと罵り合いになるのは目に見えてるから、暫くは愚痴を聞くことになりそうだなとステイは覚悟したとかしないとか(笑)
「そういえばフルルは大丈夫か?」
「言い出したのはあの子の方ですし、小さい頃から僕の行商に同行してそれなりの処世術と魔法も身についてますから、余程の事がない限り大丈夫でしょう」
『それらのベッドは私とフルルが使うのだ!』
『いーえ、私とフルルが使います!あなたはソファーで寝てはいかがですか!?』
『ならば貴様は床で寝るが良い。貴様のような野蛮な輩には似合いのシチュエーションだ』
『もう、いい加減にして下さい〜!!』
……………。 
「苦労してるみたいだが」
「人生は何事も経験です。これでフルルはまた一つ人生の勉強をしましたから、むしろ良いのでは?」
非道な父も居たものである。 
「まぁ、何にせよ。アインが言ってた奴を探さねぇとな」

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