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blood&witch
官能リレー小説 - ファンタジー系

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blood&witch 70




大広間への通路につづく階段の途中で激しい金属音が聞こえ始めた
(フェイクさんか?…いや、それにしては斬撃の数が多すぎるような…ビーザスさんだろうか…)
そう考えながら大広間に近づいていくと、入り口の近くに槍を持った人影が見えた
「ビーザスさん!」
「あら、ステイ」
ビーザスは横目でステイを確認すると、すぐにまた大広間に目線を戻した。ステイがそれを追うと、二人の男が戦っているのが見えた。一人は海賊のようだ。もう一人は当然フェイク
しかし…
「ビーザスさん…フェイクさんの武器…あれ…」
「ああ…ステイは初めて見るんでしたっけ?あれはブラドーの『二式』ですわ」「『二式』?…てことは、大剣とレイピアの他にも変化するんですか?」
「さぁ…私もあそこまでしか見たことありませんし…」
ステイはフェイクを見た。フェイクは相手の鋭い攻撃を2本のレイピアで巧みに防ぎ、尚且つすばらしいコンビネーションで追い詰めていく
海賊は防戦一方だ
あんな動きは、長年同じ武器を使い続けたとしても、そうできるものじゃない。それに、彼の主武器は大剣なのだ
ステイはフェイクの戦闘センスに脱帽した
「それにしても…」
ビーザスが呟いたのを聞き、ステイはそちらを見た
「相手の海賊もたいした者ですわ…いくら、フェンリルが半分の力しか出せないとしても、『単なる人間』が吸血鬼と渡り合えるなんて…」
「確かに…」
「でも…」
ビーザスは目の色を変えて、槍を構えた
「これ以上、フェンリルの顔に傷をつけようものなら、今日という日を後悔させてあげますわ…ふ…ふふふ…」
あのぉ…ビーザスさん?口は笑ってますけど、目がやばいですよ?美人な分、余計に恐いんですけど…
ステイは深いため息を吐くと、船が沈むのを考え体を動かし始めた


キィン!
小さな火花が飛び散ると同時に、アインは後ろに飛んで距離をとった
「へっ…や…やるなぁ…」アインは笑ってみせたが、疲労の色は隠せない。体は致命傷こそないものの衣服のいたる所が裂け、血が流れている
今にも膝をついて倒れそうだ
「お前もな…」
フェイクはそう言いながら、少しずつ間合いをつめていく
実力を認めたからこそ決して油断しない
「くっ…」
アインが剣を構えようとしたとき、目の前に人影が立ちふさがった

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