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blood&witch
官能リレー小説 - ファンタジー系

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blood&witch 40

「ゲセルマイルへたどり着く為には、まずハインタッドに寄らなくてはなりませんね」
ビーザスのハインタッドという単語を耳にし、ナリナは表情を曇らせた。
「ハインタッド…嫌な街を通らねばならんな…」
「何でだ?」
フェイクが質問した。
「この間街で耳にしたのだ。ハインタッドの亡霊…断頭の騎士が蘇った…とな…。純粋な殺意と、おぞましい程の憎悪…そして生ける者への怨念と復讐への執念の塊。私の記憶が正しければ、奴は相当危険だ。あの変形変態など比較にならんくらいにな…」
ナリナの説明に全員が少しならずとも恐怖を覚えた。
「なんですか…亡霊って…」
フルルがナリナにきいてみる。
「詳細は知らぬ。その昔、断頭台にて処刑された騎士らしいな。誇り高い騎士様だ、断頭されてやぞや恨みがあるだろう」
ナリナはフルルを驚かすように言った。 
「や…やめてくださいよ、脅かすのは…」
フルルはこちらを見ながらくっくっく、と含み笑いを浮かべて、手で首を落とす真似をしているナリナから目をそらす。予想以上の反応に気を良くしたナリナは、わざわざフルルの顔を覗き込みながら囁いた。
「いやいや、わからんぞ…もしかすると今夜にでも貴様のところに…」
「おやめください!」
叫んだのはフルルではなかった。ナリナとフルルは目をぱちくりさせながら、声の方を向く。
「ひ…昼間から、怪談なんかで、も、盛り上がらないで欲しいですわ!」
声を上げたのはビーザスだった。
「なんだ?怖いのか?」
ナリナがニヤニヤしながらビーザスを見る。
「こ…怖くなんて、あ、ありませんわよ」
明らかに声を震わせながら強がるビーザス
「あのなぁ…んなもんはあくまで噂の範疇なんだろ?それに噂が本当なら一番まずいのはナリナ、お前だろが」
さすがに見兼ねたフェイクが口を挟む
「そうですわよ。フェンリルの言う通りですわ!貴女こそ亡霊の餌食になりますわ!」
フェイクの言葉を聞いてさっきとは打って変わっていきなり勢い付く
「私がその亡霊に襲われたとしても召使いのフェイクが守ってくれるから心配はないさ」
フフンと鼻を鳴らしてビーザスをナリナは煽る

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