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大陸魔戦記
官能リレー小説 - ファンタジー系

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大陸魔戦記 155

「ま、待てセリーヌ、これは誤解だっ。俺はただ「なんだ?我まで貪ろうと思うとは、ジルドもやはり男よのぅ」
ジルドの口が固まる。
「まあ、卿がその気なら我も喜んで身を委ねるがな」
それをいい事に、彼女は体に巻き付けたタオルに手をかけ、ジルドに見えるようにするりと外してしまう。湯上がりで微かに赤みを帯びた肌が、彼を誘うように見える。
するとアグネスも対抗心を燃やしてか、一度は突き放したジルドににじり寄ってきた。
「セリーヌもその気だぞ?ほら、抱いて♪」
そしてセリーヌも、裸身のままジルドにせまる。
「ほぅら、これでもまだ強がるか?遠慮せず襲い掛かってこぬか♪」
じわり、じわり。見事な肢体を晒した美女がジルドにだんだんと近付く。二人の目は既に情欲をたたえ、このままでは日中の情交は必至。昼には領主館に行かねばならないので、非常にまずい。
(……はあ)
心のうちで、ひそかに溜め息。そして、ジルドは覚悟を決めた。


「……いい加減にしろぉぉぉっ!」


怒号が響き渡った――


「……すまぬ、本当にすまぬ。だからジルド、許して欲しい。この通りだ、な?」
「つい悪乗りしてしまってだな……いや、本当にすまない。だから機嫌を直してくれ」
「……」
口を閉ざし、黙々と荷物をまさぐるジルド。その後ろでは肌着を着けた二人の美女が、先程から土下座で許しを乞うている。当然、セリーヌとアグネスだ。
見ようによっては滅多に見られない光景である。何せ謝っているのは、滅びたとはいえ一国の姫君と、腹心の部下に等しき武将。相手の方が先に頭を下げるべき身分の者達だ。
そんな彼女らが真っ先に謝り倒すようになるとは。「恋は盲目」と最初に言い出した人はなかなか聡明だったようだ――ジルドは寒気すら覚えつつも、黙したまま袋の中をまさぐる。そして目的の物と思われる羊皮紙を見つけた。さっと手に取り、立ち上がる。
「真面目な話だ。君達の考えを聞かせてもらいたい」
二人の顔を交互に見ながら、ジルドはテーブルに羊皮紙を広げた。そこに書かれていたのは、大陸と海の模式図。リオーネを離れる際に行き先を決める時に見ていた地図だ。
それを目にしたセリーヌとアグネスははっとなる。
互いに顔を見合わせ。
真剣味を帯びたジルドの顔を見上げ。
再び地図に視線を落とし。
彼の意図をほぼ同時に把握する。二人は慌てて立ち上がると、ソファに腰を下ろした。
「す、すまない」
「醜態を晒してしまったな。は、恥ずかしく思う」
「これから自重してくれればいい……それで、だ」
かぶりを振りながらジルドも、二人と相対する位置で腰を下ろした。そして身をせり出すと手を伸ばし、人差し指で地図のある一点を軽くとんとんと叩いた。

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