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幼魔鬼譚〜悪戯好きのアリス〜
官能リレー小説 - ファンタジー系

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幼魔鬼譚〜悪戯好きのアリス〜 110

「それはなりません」
部屋の片隅から掠れる様なしわがれた声がした。
炬俐が視線を向けるとそこには平伏した色餓鬼がいた。
「その娘は我が主の配下。連れて行くことはなりませぬ」
先ほどアリスにペニスの根元に環を付けられた色餓鬼が眼光鋭く炬俐を見据えながら言い放った。しかし全身震えながらなので迫力はなかった。
「主だとぉ?」
「ヒッ!」
 炬俐に睨まれ、色餓鬼が情けない声を上げる。
「何処の何奴かは知らんが、我に盾突こうとはいい度胸だ」
「いっ、いえ! 滅相もないっ!」
 炬俐の顔が怒りに歪んでいくのを見て、慌てて色餓鬼が話を続ける。
「わ、我が主は炬俐様との友好を望んでおります」
「ほぉ、では友好の証にこの娘を貰おうか」
「そ、それはなりません。ですが、その代り…」
「代わりに何だっ!」
 遂に炬俐が怒りで大声を上げる。
「わっ、我ら色餓鬼と主様の力を駆使し! この女子寮を炬俐様のハーレムへと変えて進呈いたします!」
「なっ、何ぃっ!?」
「マジかぁっ!?」
 色餓鬼の驚愕の申し出に、炬俐と蛇が同時に声を上げる。
「はいっ! もう少ししましたら、我が主がこちらへ参りますので詳しい話はその時に。では失礼しますっ!」
 そう言うと、『用件は伝えた。長居は無用!』とばかりに、色餓鬼は窓の外へと消えて行った。

「おい、本当だと思…うわっ!」
 炬俐のこの上なくだらしなく緩んだ顔を見て、蛇が思わず声を上げてしまう。
「ハーレムか……確かこの学園の生徒は、美人が多いと聞いたな」
「いや、話が出来すぎじゃねぇか?」
「確かにな。だが今の話が嘘だとしても、色餓鬼共の‘とり憑いた人間を発情させる能力’を上手く利用すれば、ハーレムも夢ではないと思わんか?」
「うーん…まぁ確かに」
「いざとなれば、奴らの主とやらから色餓鬼どもを奪い返し……」
 自分を取り囲む裸の女生徒達を想像し、炬俐が更に顔を緩ませる。
「クックックッ…今日は朝から散々だったが、やっと運が向いて……んっ?」
 炬俐が自分の顔をチラチラと、潤んだ目で見ている涼子に気付く。
「おぅおぅ。放っておいて悪かったな。お前の主が来るまで、もう少し楽しんでおこうか」

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