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たまたま
官能リレー小説 - 脅迫

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たまたま 3

だがその時俺は気付いていなかった。
オレとアンリが話しているのを、ごっそり見ていた人に・・・

そして俺が家に帰って、自分の部屋に入ったら携帯に電話がかかってきた。

クラスメイトの板木愛奈だった。
「右野君、さっき公園で浦浜杏利に『俺のペットになれ』って言ってたでしょ。何変なこと言ってるの。明日アタシも公園いくわ。」

「板木、公園に来ないでくれ」



そう言いながらも俺は頭の片隅で冷静に考えていた。

板木 愛奈は風紀委員に所属していて、クラスでも堅い雰囲気の少女だが、決して無愛想というわけではない。

それにクラスの腐女子グループとも仲がよいことも知っている。

(アンリも狂言で幼稚園児コスするような変態だが、アンナも案外コスプレ趣味があるのかもしれない……)

そう考えると、手元に性処理道具が二台転がり込んでくる機会なのかもしれない。

そう思うと、我知らず「くくくっ」という低い笑い声が漏れてしまう。

「? 右野君聞こえているの? とにかく私も行くから変なことしないでよ?」

「いや、板木は来るな。もし来たら、今日のアンリのように……いや、アンリよりもひどい格好をさせて写真を撮るからな?」

一方的に伝えて通話を切り、同時に着拒しておく。

さあて、忙しくなってきたぞ。

一人つぶやくと、必要な資材を調達するためにあるところに向かった。
あっという間に二日が過ぎた。

俺は準備した様々な資材を大きめのボストンバッグと肩掛け鞄に納め、約束の昼前よりはるかに早い早朝五時には公園に着いていた。

別に楽しみで待っていられなかったから、と言うわけではない。

今回指定した公園は、人通りこそ多いものの障害物が多く見通しが利かず、さらに昔から入り浸っている廃工場に近い。

幸い今日は大型連休の初日、楽しむ時間はたっぷりある。

アンリのスモッグ越しの巨乳の柔らかさと、アンナのスレンダーボディを脳裏に浮かべながら、ボストンバッグを廃工場の一室ーー比較的きれいでベッドを備えた部屋だーーに設置すると、あとは公園の奥まった場所にあるベンチに腰掛け、数冊の本を読みながら、時間がくるのを待っていた。
午前十時。

公園の木々を隔てて響いてくる喧騒を尻目に、暇つぶし用に持ち込んだ数冊の小説のうち、半分近くが消費された頃、俺の前にいきなり影が立ちふさがった。

目線をあげれば、果たしてそこには板木愛奈が立っていた。

「来るなっていったよね、板木」

「右野君こそ分かってるの? 女優さんにペットになれとか」

こちらの冷静な物言いにムカついたのか、アンナは言い返してくる。

だがこの会話の流れ自体がこちらの計算通りなのだ。

「俺とアンリのプライベートな性癖に口を挟まないでほしいな」
冷たく言い放つ言葉に、しかしアンナが反論する前に、俺はベンチの後ろにある青いポリバケツを指差す。

方形蓋付きの90リットルゴミ袋用の大容量ゴミ箱にアンナが視線を向けたのに合わせてこう言った。

「あの中のアンリに確認してみたらいい」

その一言でアンナは慌てたように上体を起こし、俺はそれをベンチに座って眺めながら、手のひらで弄んでいた無針型の注射器を鋭く投げた。

圧で器内の薬液が浸透注入されるのにかかる時間は一秒にも満たない。

一瞬で少女の体内に打ち込まれた睡眠薬は過たず効果を発揮し、くずおれた。

「さって第一段階はクリア。つぎはメインディッシュのための仕掛けだな……」

俺は大きく伸びをするとアンリの身体をゴミ箱の中へ。

暑い日ではないし影においておけば、熱射病も回避できるだろ。

さて、是で仕込みは終わり。あとはアンリの気持ちしだいだな。

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