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竿師 公称年齢十八歳
官能リレー小説 - 職業

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竿師 公称年齢十八歳 1

 竿師……それはAV女優の共演者でペ●スと手、口と舌でイカせる職業である。世間的には余りにも胸を張れない職種である事は間違いはない。役者崩れから好んでこの世界に飛び込む者も様々であるが……彼の場合は少しばかり事情が異なる。


その男はサラ金の取り立て屋である、事もあろうかターゲットを逃がしてしまった。逃がしたと言うよりは部下の不手際により他の業者の手により誘拐された。相手は大陸系、全く手加減と言う言葉を知らんのか……まあ抗争の火種だけはなってもこっちは知らん。とり立ての銀二と呼ばれるこの男は目の前に居る少年を見る。
「ボウズ、御前のかーさんな怖い連中に連れて行かれたようだ」
「……」
「まっ、御前の身体なら損失分を取り戻せそうだが……あいつらが来る前にここを去るぞ」
傍に居た部下らは物色し少年の持ち物をいくつか持ちだす。
幸い彼は中学生にしては小柄であり服装次第では小学生でも誤魔化せる……顔立ちもまあよい。
「ボウズ、名前は?」
「悠です」
「悠、御前のランドセルはあるな」
悠は頷くと素直にランドセルを出した。
「兄貴、通帳やらないですっせ」
「そいつも金になる事は分かっているんだ……引き揚げるぞ」
銀二は自動車に乗り込み静かに悠の肩に手を載せる。
「かーさんの事だが最悪の事は覚悟しておいた方がいい……」
「……」
銀二はとりあえず彼の身柄を十分に信頼置ける者に預ける為にスマホを操作する。

「しくじるなんて珍しいですね」
「最近は大陸も半島系も追い込まれているからな、センセイ……宜しくな」
悠を預けたのは行政書士事務所の主、だが裏では事件屋呼ばれる職をしている取り立て屋銀二にとっては無くてはならない人物とも言える。
「女なら泡風呂ですがねぇ……まあ一応私が面倒みます、冴島 悠君」
「!」
「貴方の母親に関しては色々と相談してくる事が多くってね」

行政書士である上島 隆二はこの展開を読んでいた……ただ展開が速すぎて慌てた感じ、悠でさえも分かる程だ。
「とりあえず、関係各位には連絡しておきます」
悠をしり目に隆二は仕事をする。その間悠は空いている事務所の机に座ったのである。


数時間後、悠の身柄は隆二が預かる事になる……こうしておかないと警察や行政が介入して銀二が借金回収が出来なくなる。
「まっ、銀二とは盃を交した仲で時折ガキを預かる事になるんだ。あいつはスジを通せば素人でも無茶はしない、借金の総額は1000万円……一応銀二が立て替えている形になるからこれ以上は増えない」
その額を聞いて悠は足が震え始めた。
「竿師って知っているか?知らないよな……簡単に言えばAV女優相手にセックスする仕事だ」
悠は真っ赤になるが拒絶する事は出来ない事も分かっていた。
拒絶すれば大陸系か半島系のマフィアにどんな扱いされるのか分からない……まだ言葉が通じる銀二らの方が安全なのだ。
「やります……」
「そうか、モノ分かりが良い子だな。とてもあのアマの子供とは思えん。分かれた父親は?」
「海外に居ます……父方の両親は死んでます」
腹が減ったのかおなかの鳴る音が響く。隆二は悠を連れて歓楽街の一角にある食堂に顔を出し、御座敷に通される。そこには如何にも貫禄がある初老が晩酌を楽しんでいた。
「おおっ、隆二か……こいつが例の子供か」
「へい、御隠居に頼る事になりますが……」
「構わんよ、ボケ防止には丁度居良い。坊主、おごりだ」
初老の男はメニューを投げ渡すと悠は焼鮭定食を頼んだが初老の男は言う。
「ガッツリ食っておけよ、大変な事になるからな。女将とんかつ定食な」
悠はキョトンとしたが目の前に出されたとんかつ定食を食べる。ここん所食費を切り詰めていた事は隆二も察していたようだ。その最中襖扉が開くと御隠居は駆け寄る。
「御隠居、遅くなりました」
「銀二か……どうだ?」
「ホトケになってからサツが動くって感じです……それすら出ないと思います」
二人は小声で話す。
「とりあえず、動いては見ます」
「頼む」
彼も分かっていた、大陸系に浚われた者の末路は想像を絶する。


数時間後、食堂を出て歓楽街のメインストリートに止まっている外車に乗り込む初老の男は悠を隣に座らせる。
「坊主、生活に関しては保証する……ただし御隠居の事を含めて全て口外しないでほしい」
「はい」
「母親の事も探しては見るが……覚悟は決めておいた方がよいな、死体すら出ないかもしれない」
「構いません、ただ父親にまでは」
「手出しはしない」
悠はホッとした……そして安堵したのか寝てしまったのだ。

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