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某企業新商品シャンプー発表会
官能リレー小説 - 職業

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某企業新商品シャンプー発表会 2


それから1ヶ月後…

テレビCMは大好評を博していた。5人の女性が濃紺のリクルートスーツを着たまま全身びしょ濡れになって髪を洗う姿は、全国の家庭にセンセーショナルを巻き起こした。某大手動画投稿サイトでの同CMの動画再生回数は100万回を突破した。

5人は(容姿が美しかったという事もあって)一躍大人気となり、ネット上には非公式のファンサイトが無数に出現、いつしか誰からともなく『シャンプー・ガールズ』と呼ばれるようになった。

だが、そんなCMの絶大なる人気に対して、その商品であるシャンプーはそれほど売れなかった。いや、CMの人気度に比べてみれば、その売上高は異常とも言える低さだった。

そんな折に開かれたこの企業の最高経営会議の席でシャンプー・ガールズ(仮称)の今後を左右する重大な話し合いが持たれた。

まず社長の大山田 大三郎(おおやまだ だいざぶろう)が言った。
「ワシとしては今後、例の5人…すなわち俗に言われておるシャンプー・ガールズの人気を大いに活用して我が社の売り上げを伸ばして行きたいと思う。これは景気の低迷が続き消費が落ち込んで久しい昨今、我が社が同業他社に抜きん出て一大躍進するチャンスであると私は考えている」
「そうですね。私もそう思います」
続いて常務の猫田 諸夫(ねこた もろお)が大山田に同意した。猫田は大山田のイエスマンだった。
「しかしすぐに他社も似たような戦略を打ち出して来るでしょう。そもそもシャンプー・ガールズの人気はあくまで一時的なもの…いわば一過性のブームに過ぎません。そんな物に頼るよりも、やはり今まで通り地道にマーケティング・リサーチを行い、消費者のニーズに対応した商品を…」
それに対して専務の犬塚 小次郎(いぬづか こじろう)が反発した。No.2である彼は次期社長の座を狙っており、何かと社長である大山田に楯突いていた。しかもただ単に反対しているのではなく、ちゃんと筋も通っている所が大山田からするとまた腹立たしい所なのだった。
「例え一過性のブームだったとしてもだ。このビックビジネスのチャンスを、専務、君は指をくわえて見ていろというのかね!?」
大山田は興奮してドンッと机を叩いた。
「そうですね。私もそう思います」
「社長!我が社は明治に創業し100年以上の歴史を持つ、この業界では十指に入ると言われる大企業なんですよ!?社の品格という物があります!そんな芸能プロダクションみたいな真似を…!」
「まあまあ、お二人とも落ち着いてください…」
止めに入ったのは本部長の藤山 登(ふじやま のぼる)だった。彼はいつも大山田と犬塚がケンカになると調停役になるのだった。
「…やはり社長のおっしゃる通り、シャンプー・ガールズの人気は捨て置くには多分に惜しいものがあります。ですが専務のおっしゃる通り、一過性のブームであるという懸念も無視出来るものではなく…」
「「早く結論を言え!」」
「私もそう思います」
回りくどい言い方にキレた大山田と犬塚(ついでに便乗する猫田)に責め立てられ、藤山は言った。
「は…販売促進部長!」
「はい、ここにシャンプー・ガールズのCM第二弾のプロットDVDがあります。先日、広告代理店が持ってきました」
そう言いながら販売促進部長は一枚のDVDを取り出した。藤山は言った。
「つまりですね、もう一度新たなCMを流してみて世間の反応を見てみてからでも遅くはないのではないかと…そう言いたかったのです」
「なるほど確かに…」
「その通りだな…」
「私もそう思います」
二人とも納得したようだった。
「よし!ではさっそくその新CMのプロットを見せてもらおうじゃないか」
「わかりました…君、これセットして」
「かしこまりました」
藤山はDVDを秘書に渡し、秘書はそれをプロジェクターと連動しているノートパソコンに挿入してスクリーンを下ろした。スクリーンにCMが映し出された。
「あ…!!」
「こ…これは…!?」
それを見た全員が驚きの声を上げた。
そこには五人の女性が海辺で肌も露わなビキニ水着姿でシャンプーしているシーンが映し出されていた。
「なんだこれは!?」
「素晴らしい!!」
大山田は顔を真っ赤にして激怒し、犬塚は瞳を潤ませて感動した。
「水着だと!?人を馬鹿にしてるのか!!あのCMは、シャンプーしてシャワーを浴びるという本来なら全裸ですべき行為、それを紺色のリクルートスーツ姿という女性にとってはある意味もっともストイックと言える服装で行う、そのギャップの中でこそ生み出されるエロティックさが…ああぁぁぁ〜!!とにかくスーツがびしょ濡れになってるのが良いんだ!!水着!?ふざけるな!!このプロットを作成した広告デザイナーを連れて来い!!小一時間に渡って問い詰めてやる!!」
「そうですね。私もそう思います」
激昂する大山田に犬塚が反発した。
「何を言うのです社長!!白い砂浜に青い海と空、さんさんと降り注ぐ真夏の陽光、その中で整然と並んでシャンプーする五人の美女…あなたにはこの光景の美しさが理解出来ないのか!?」

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