触手調教BEST!! 11
電流責めは心臓麻痺を起こすことがある。
しかし、どの強さで電流を感じるかは、
個人差がある。
強い電流。
だいたい24Vなら、
電流を感じない者はめったにいない。
一番困るのが呼吸困難になるケースだ。
その呼吸困難は、
気管支や横隔膜が痙攣してができないとか、
そのような深刻なものではない。
強い電圧になると、
手を握り締め、全身に力を入れて、
痛みに耐えることになる。
それは妊婦が、
出産の時にいきむ状態に似ている。
すなわち、本人の意志で呼吸を止めている、
だが、電流の為に息ができない、
と錯覚するのである。
出力レベル0・3A/8V。
彼女の表情を見ながら、
少しずつ電圧を上げる。
12V、14V、16V……。
表情がひきつるのが見えた。
ぴりぴりとした刺激を感じるレベル。
「触手に血を吸われる感じはどうだ?」
「えっ?」
携帯電話の充電コードのように見えるもの、
コード状触手は蛭のように血を啜る。
「人間はどのくらい血を失うと、
死ぬか知ってるか?」
俺はそう言うと電流刺激を強めて、
彼女に十秒ほど我慢させた。
0・5A/12Vに電流刺激を強めて。
上腕、乳房、脇腹、太腿、全て同時に。
千本の針で突つかれたような痛みが、
彼女を襲う。
「きゃあああぁっ!」
「蛭は痛みはないがこいつは痛いぞ」
十秒ほどで吸血を止める。
その時、心電図を表示する機械に見えるが、
中身はちがうらしいと彼女が気づいた。
「きゃはははははっ!」
機械から奇妙な笑い声のようなものが、
手術室に響きわたる。
「俺はこれをミミックと呼んでる。
俺が止めなければ、
ひからびるまで血を吸われるぞ」
「モットチョウダイ!」
ミミックの声は、
ボーカロイドの声に似ている。
十秒の苦痛の前までは、
(ここはどこ、病院?
事務所にいたはずなのに、
……拉致監禁された?)
と彼女なりに混乱しつつ考えていた。
しかし、今は、
また苦痛が襲ってくるのを警戒して、
考えがさらにまとまらなくなった。