獣耳の世界 2
3本のチンポを快感へ誘うケイは背後から腰をつかまれ、尻を持ち上げられた。
「オレのも頼む。」
狐耳の少年が彼女のヴァギナを背後から貫く。
「あはぁん!」
ところで、何事にも例外はあるというが、性交所への立ち入りを元々禁止されている者も一部に存在している。
それは獣耳を持たない、いわゆる「霊長型」という種に属する者だ。
彼ら彼女らだけは同種間だけでなくどんな獣人とも子供を作れてしまう。
だから法律で性交所への立ち入りが認められていない。
このため彼ら彼女ら「霊長型」の者たちはは自由にHできないことに強い疎外感を抱いていた。
ケイのクラスメートの少年ソルもその1人だった。
「いいよなぁ〜〜〜。自由にHできる連中わ〜〜〜」
ソルは暗黒のオーラをまとい、ひとり机に突っ伏していた。
同じ星の生き物なのに、子供ができやすい種族に生まれてきたために自分1人だけセクロスできない。
まわりはみぃんな大人の階段を上っているのに、ソルだけいまだに童貞。
霊長型だって人並みに性欲はあるのだ。いやまともにヤラせてもらえないぶん他の種族より性欲は強い。
それなのにH禁止だなんて酷にもほどがある。
そんなストレスが暗黒のオーラとなって、誰にも近寄れない壁を作り出していた。
とは言え、このまま放置しておけば何をしでかすかわからない。
重い空気に耐えきれなくなったクラスメートたちは、厳正な抽選(クジ引き)によって彼を励ますための生贄を用意することにした。
「あ、あんまり気にすんなよ、ソル。恋人作れば好きなだけヤれるじゃねーか!」
「・・・結婚するまで、の間違いだろー・・・。ヤッたらデキちまうんだからー・・・」
「あ・・・」
励まし作戦第1陣、失敗。クラスメートAの失言によりソルの背後のオーラはさらにどす黒く、重くなったようだ。
やはり男子ではダメか?ということで第2陣。
女子からのプレゼント攻撃を仕掛けてみることにした。
「そ、ソルくん?い、今家庭科の授業でマドレーヌ焼いたんだけど・・・よ、よかったら食べない?」
「・・・いらない。Bさん、そんなに気を遣わなくてもいいよ。そんなに気を使われるとよけいみじめな気分になるから、さ」
「ご、ごめん・・・」
第2陣失敗。クラスメートとは言え、童貞くん相手に女子生徒が親しげに近づくのはまずかったか。
と言うことで、第3陣ではストレートに言ってみることにする。
「ええい、ソル!いつまでもウジウジしてんじゃねえよ!
おまえのせいでクラスの空気が悪くなってんのがわかんねえのか!?
いつまでも腐ってねえで、結婚してくれるような女の1人でも作りやがれ!」
「・・・だったらおまえ、結婚するまで一生セクロスしないでガマンしていられるか・・・?」
その瞬間クラスメートCどころかクラスメート全員をも黙らせるものすごい怨念めいた発言が炸裂。
あまりの迫力にクラスメートCは反論もできず硬直。第3陣も失敗に終わる。
励ましてもダメ、女子を使ってもダメ、怒ってもダメ。
打つ手なし。もうこのクラスに明るさが戻ってくることはないのか―――?
そう思われた翌日。ソルはそれまで暗黒のオーラを背負っていたのがウソのように、明るい笑顔で登校してきた。
なぜ彼がこんなに元気になったのか?
その理由はただ1つ。霊長型を絶望の淵に追いやっていた異種交法が改正されたためであった。
法改正に至った理由は幾つかある。
第一に、霊長型のみならず他の種族からも法改正を訴える声が強くなったこと。
暗黒オーラを撒き散らす霊長型の級友・同僚にウンザリしている者たちが、
「後でどうなってもいいから、霊長型も性交できるようにしてくれ!!」
と訴えだしたのだ。
それ以外にも、
「霊長型の人達が可哀相……」
「霊長型ともセクロスしてみたい」
という声が高まり、政府を激しくゆさぶった。
第二に、少子化の問題。
いつからか獣人たちの間で、性交所にてセクロスの相性がよい異種異性を見つけて結婚することが流行りだした。当初はさほど問題視されず、むしろ「子どもが100%できない夫婦」は人口の異常増加を抑える存在として歓迎された。