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プレイボール!
官能リレー小説 - 学園物

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プレイボール! 94

「いや、っていうか野球用品を買いに行くから一緒に来てくれって言われて一緒に行ったら、告白されてキスされたんだよ。」
直樹は必死に弁明する。
直樹があす香と一夜を共にした事実はあるが。
「相馬、何デカイ声出してんだよ」
声をかけたのは松本。
「いや、それがさあ…」
相馬が滝川から伝え聞いたことを話すと、一同皆ビックリする。
「お前、笠原が知ったら泣くぞ」
相川が言った。
「…だから…その…」
直樹はしどろもどろになるばかり。
松戸北戦を明後日に控え、部員達は動揺する。
一方、入院中の父親の看病をしていた由美は、朝練後に学校に到着した。
すると、由美のクラスの前であす香が待っていた。
「あす香ちゃん、どうしたの?」
「由美ちゃん…私高橋君とキスしちゃった」
「えっ!?」
突然の告白に戸惑う由美。
「高橋君は由美ちゃんだけのモノじゃないから」
そう言ってあす香は立ち去る。
「待ってよ!それ、どういう意味?」
あす香は立ち止まり振り返る。
「私も高橋君のことが好きなの。いつか由美ちゃんから奪い取るから覚悟してね」
あす香は不敵な笑みを見せ、去って行く。
「そ、そんな…なおちゃん…」
呆然と立ち尽くす由美。

その後、休み時間に直樹は由美と廊下で遭遇する。
「由美、お父さんの具合どう?」
直樹はいつもと変わらない態度で接したが、由美は俯き、足早に直樹の横を通り過ぎて行った。
 
放課後、直樹は練習のためグラウンドに向かう。
しかし、朝の件で部員達とは距離が出来ていた。
結局、このギクシャクした状態から抜け出せないまま二日がたち、三回戦の松戸北戦を迎える。
野球はチームスポーツである以上、また人間がやるものである以上、選手個々の能力もさることながら、チームとしての纏まりや勢いというものが試合に大きく影響してくる。特に高校野球ではその傾向が非常に強い。
照星は本来ならば十二分に勝機のあるはずの松戸北を相手に思うような試合が出来ずに苦しむ。

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