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プレイボール!
官能リレー小説 - 学園物

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プレイボール! 64

後日、土居監督は松本を呼び出し、古惚けたのノートを渡した。
「これは…」
「昔のプロ野球選手の得意球をまとめたノートだ。お前はサイドハンドだから稲生のスライダーや椙浦のカーブあたりがおすすめかな。どれも難しいが投球の幅を広げるには有効だろう。挑戦してみる価値はある。」
「はい…頑張ります。」
松本は一礼してから帰宅して早速取り組む。
取り組む変化球は稲生の高速スライダー。
稲生と言えば神様・仏様・稲生様と呼ばれた程の大投手だ。

一方の直樹は新たな練習メニューを試していた。
「由美、このボールにひたすら数字を書いてくれ。」
「うん、わかった。」
ーそして10分後ー
「なおちゃん、できたよ。」
「ごめん、ありがとう。」
直樹はそのボールを天井から吊し、左右に揺らす。
そしてぶつぶつ数字を言っていく。
「なおちゃん、これって何の練習?」
「マーズデンボールと言ういわば集中力を鍛える練習さ。雨の日でも出来るし、かなり難しいんだ。」
「私もやってもいい?」
「いいよ。」
そして直樹はボールを一回止めて再び左右に揺らす。
由美はほとんど読むことができなかった。
「う〜難しい〜」
「まあこの練習は本来は投手向けの練習なんだけどね。集中力が必要なのは野手も一緒だしね。」
「…ところで試験に対する集中力は?」
「え?」
「もうなおちゃんったら。来週期末試験じゃない。勉強してるの?プロ目指す前に留年したら意味ないからね。」
「う…」
直樹は授業中はほぼずっと寝ている。
練習の疲れもあるだろうが、ほぼ爆睡だ。
また試験がヤバいのは直樹だけではない。
野田・橘・滝川・松本…いずれも成績は悪い。
逆にいいのが藤井と相川・柊位なのもひどい有り様だ。
野球に一途と言えば聞こえはいいが…。
そんな有り様を土居監督が見逃す筈がない。
成績ヤバい奴に担当の先生に依頼し、宿題を課してもらうなどして成績の底上げに取り組んでいる。
野球は頭を使うスポーツでもある。

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